カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

1月3日 ひとみの日

 1月3日はひとみの日。メガネ・コンタクトレンズ業界が呼びかけた。

 瞳をいつまでも美しくという思いで、(1)(3)」の語呂合わせから1月3日とした。

 一部ではメガネ・コンタクトレンズ業界が制定したと書かれているが、確かな情報源は無く、そもそも「メガネ・コンタクトレンズ業界」が何を指しているのかも不明瞭であることから、メガネ・コンタクトレンズ業界というのはデマだと思われる。

 また、「この日に合わせて色々なイベントを催している」と記述しているページがたくさんあるが、実際はメガネ・コンタクト関連のイベントの多くが目の愛護デー(10月10日)に行われており、1月3日にイベントを催しているところはほとんどない。

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ひとみとその役割

 人間の目には多くの部位がありますが、中でも瞳孔と呼ばれる部分、いわゆる「ひとみ」は目にとって重要な役割を果たしています。瞳孔は眼球の色がついている部分である虹彩の中心に位置し、光が目に入る窓のような役割を果たしています。そして、その大きさは周囲の光の量によって調節されます。

 例えば、明るい場所では光の量を制限するために瞳孔は小さくなります。これはカメラの絞りを閉じて光を絞るのと同様の仕組みです。逆に暗い場所では瞳孔は大きくなり、できるだけ多くの光を取り込むことで視界を確保します。このように瞳孔の大きさを変えることで、私たちはさまざまな光環境で明瞭な視界を保つことができます。これは虹彩の二つの筋肉、瞳孔括約筋と瞳孔散大筋が連携して行う作業であり、一般的には瞳孔の大きさは2mmから6mmの間で変化します。つまり、あなたが暗い部屋から明るい部屋に移動した時、その逆の場合でも、それが自然に感じられるのはこの瞳孔の調節能力のおかげなのです。

 また、年齢とともに瞳孔の大きさは徐々に小さくなると言われています。これは年を重ねることで瞳孔を調節する筋肉の機能が低下するからです。若い頃と比べて視界が暗く感じる、あるいは明るい光が眩しいと感じるようになったと感じたら、それは瞳孔の年齢による変化の一部かもしれません。

虹彩とその色の違い

 そして、瞳孔の周囲を囲む虹彩は、その色によって個々の特徴を明らかにします。その色は、茶色、青色、緑色、グレーなど多種多様で、その違いは主に虹彩に含まれるメラニン色素の量によるものです。メラニン色素は、皮膚や髪の色を決定するだけでなく、有害な紫外線から身体を守る役割も果たします。つまり、虹彩の色は人間の生存環境と密接に関連しています。太陽の光が強い地域ではメラニン色素が多く、目が茶色や黒になりやすく、逆に太陽の光が弱い地域ではメラニン色素が少なく、目が青やグレーになりやすいのです。

 そのような虹彩の色は、一人ひとり異なるパターンを持っています。それは指紋のように個々の特徴を示すため、個人認証の一つとして用いられることもあります。一方で、青い目を持つ人々は、約6000年~1万年前に初めて出現したとされています。つまり、それ以前はすべての人々が茶色や黒の目を持っていたということです。この事実は、私たち人間の進化の歴史を物語っているとも言えるでしょう。

 つまり、私たちの目やひとみはただの視覚器官ではなく、生存環境、遺伝、年齢などさまざまな要素が反映された、非常に複雑かつ精巧なシステムなのです。それぞれの色や形状が一人ひとりの個性や特徴を表すだけでなく、私たちが世界を見る窓として機能し、私たちの身体が外部環境に適応する手段としても働いています。ですから、あなた自身のひとみを見てみると、その色や形状がどのような物語を持っているのかを想像することができるかもしれません。

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