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1月10日 イトウの日

イトウ

 1月10日はイトウの日。人の名前ではなく魚の「イトウ」。イトウの認知度をさらに上げ、その保護の気運を高めることを目的に、北の大地の水族館が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は(1)トウ(10)」の語呂合わせから。

イトウとは

 イトウは日本最大の淡水魚で、体長は1m~1.5m程度。過去には2mを超えるものが捕獲されたこともある。ロシアのサハリンや、国後島、択捉島、そして北海道などに生息しているが、年々個体数が減少しており、絶滅危惧種に指定されている。

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イトウ:日本最大級の淡水魚

 イトウ(学名:Parahucho perryi)は、サケ目サケ科イトウ属に分類される淡水魚で、その細長い体型から「糸魚」の名がついています。全長は1mから1.5mに達し、記録上最大の個体では2.1mに達したこともあります。このような大型の淡水魚として、イトウは日本最大級として知られています。

イトウの生態と生息域

 イトウの生態は非常に特異で、通常は河川や湖沼に生息しますが、海への適応力も持っています。早春に上流へ遡上し、産卵を行うイトウは、その活動後の個体が痩せ細るため、"糸のように細い魚"という印象を与えます。また、春の遡上期には、川面に反転する大きな魚体と鮮やかな茜色の婚姻色が目撃され、釣り師の間で格好の狙いの的となることもあります。

 イトウは日本の北海道や樺太、南千島に生息しており、かつては岩手県や青森県でも確認されていましたが、現在では地域的に絶滅してしまいました。生息域の縮小は、河川改修や森林伐採、農地拡大などによる影響や、河川内構造物による遡上妨害、生息環境の悪化などが主な原因とされています。

イトウの保護とその重要性

 イトウは成長速度が遅く、体長1mに育つまでには約10年程度を要します。この遅い成長速度と加えて個体数の減少が重なり、種としての存続が危ぶまれています。保護策の策定と実施が急務となっており、特に春の遡上期には保護策の徹底が重要とされています。

 イトウはその大きさと生態から、我々に淡水生態系の大切さを教えてくれます。私たちはイトウを守ることで、同時に自然環境を守ることにもつながります。イトウの保護は、単に1種を守るだけではなく、生物多様性を維持し、持続可能な自然環境を守る上でも重要な役割を果たすことを忘れてはなりません。

北の大地の水族館

 北海道北見市の温根湯(おんねゆ)温泉にある淡水魚の水族館。「山の水族館」とも呼ばれている。また、1m級に育った「イトウ」40匹の展示や、滝壺の水槽、凍る川の水槽など珍しい展示物もある。

 北海道内に生息する約50種類の淡水魚を集めた全国でも珍しい淡水魚の水族館。なかでも圧巻なのが幻の魚と呼ばれる日本最大の淡水魚、イトウ。巨大なイトウが50匹近い群をなし悠然と泳ぐさまに、北海道の雄大な自然を感ぜずにはいられません。併設する温泉水族館では、巨大ナマズやウーパールーパーをはじめとする世界の珍しい熱帯魚も見ることができます。

記念日とかいろいろ