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1月16日 囲炉裏の日

囲炉裏

 1月16日は囲炉裏の日囲炉裏の愛好家らが囲炉裏を囲んで温かい会話を楽しもうとという目的で制定した。

 日付は(1)(1)(6)」の語呂合わせから1月16日とした。と、日本記念日協会のページには書かれているが、囲炉裏の日に関する情報が一つも見つからなかった。

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 囲炉裏は、伝統的な日本の住まいに特徴的な設備の一つで、まさに「心の拠り所」とも言える存在です。正方形や長方形に床を掘り下げ、灰を敷き詰めた中で炭や薪を燃やすスペースのことを指し、その名の通り家族や集まった人々が「囲」む「炉」です。古くから暖房や炊事の場所としてだけでなく、家族や集まった人々の交流の場としても利用されてきました。なお、「囲炉裏」は当て字であり、元々の言葉は「いろり」です。

 近代の高気密・高断熱の住宅では火の取り扱いにデメリットが多く、囲炉裏の設置は減少傾向にあります。しかし、それでも古き良き時代を彷彿とさせるその存在は、古民家を活用した宿泊施設などで再評価されています。その魅力は、暖をとるという機能性だけでなく、炭火で調理するというエンターテイメント性や、ゆらぐ炎を眺めながら過ごす時間の豊かさにあります。

 囲炉裏料理はその昔から人々の舌を楽しませてきました。薪で鍋を煮たり、炭火で色々な食材を焼いたりと、様々な料理方法が楽しめます。特に、火を使って直接調理するというプロセスは、食の楽しみを一層深めてくれます。しかし、肉や魚を直接炭火にかけると、脂が炭に落ちて煙や炎が出てしまうことがあるので、調理方法には工夫が必要です。

 今日では、囲炉裏を生活の一部に取り入れる動きもあります。その魅力的な存在感と機能性から、新たな形で活用する方法も模索されています。室内の設備としては難しくとも、庭やテラスでのバーベキューやキャンプなどのアウトドアシーンで囲炉裏を楽しむという選択肢も考えられます。人々が集まり、会話を交わし、食事を楽しむ――そのシーンを囲炉裏が演出します。

 ひと言で言えば、囲炉裏は「心を温める空間」です。その暖かさと調和のとれた機能性は、現代の生活にも新たな価値をもたらしてくれます。現代と古代が交錯する囲炉裏の世界に、一度足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。