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ブルーマウンテンコーヒーについて

　ブルーマウンテンコーヒーは、その名の通りジャマイカのブルーマウンテン山脈で生産されるコーヒーのことを指します。ジャマイカ島の東部を東西に走るこの山脈の中で特定の地域に限られて栽培され、その地域はジャマイカのコーヒー産業法によって厳格に定められています。また、ブルーマウンテンコーヒーと認定されるためには、認証された精製工場で精製処理されることも求められます。

　ブルーマウンテンコーヒーは、その独特の輸出方法でも知られています。具体的には、このコーヒーは樽詰めで輸出されるという特徴があります。これは、18世紀中頃から後のイギリスの植民地時代に、イギリスから船積みされた小麦粉などの空き樽を再利用し、コーヒーやラム酒などを入れて出荷するという方法が始まりとされています。他の多くのコーヒーが麻袋詰めで輸出される中、この樽詰めという方法はブルーマウンテンコーヒーだけの特徴と言えます。

　また、ブルーマウンテン樽は、アメリカの温帯林の木材を使用しており、においがないため、コーヒー本来の香りや風味を損なわないという利点があります。さらに、木材が内外の湿気を吸収・放出することによって、コーヒー豆の品質が大きな変化を受けることなく、また、輸送時に発生する急激な温度変化を緩和します。これらの特性は、ブルーマウンテンコーヒーの高品質を保つための重要な要素となっています。

　日本におけるブルーマウンテンコーヒーの歴史は、昭和28年(1953年)に戦後初めて輸入されたことから始まります。その前は戦前にごく少量が見本として輸入されたに過ぎませんでした。その後、第二次世界大戦の影響で一時的に輸入が途絶えましたが、1953年に再び日本に輸入され、日本珈琲株式会社と木村コーヒー店（現キーコーヒー株式会社）により広く普及しました。これ以来、ブルーマウンテンコーヒーは日本で一貫して高く評価されてきました。

　ブルーマウンテンコーヒーの特徴は、その独特な風味と香りにあります。通常、ブルーマウンテンコーヒーは中程度から深いローストが行われ、その結果として得られるコーヒーの風味は、その他の多くのコーヒーよりも鮮明で独特な特徴を持っています。これはブルーマウンテン地域の土壌と気候によるもので、特に山間部の高地で育てられるコーヒーは、冷涼な気候と豊かな土壌が、非常に独特で質の高いコーヒー豆を生み出します。そのため、ブルーマウンテンコーヒーは「コーヒーの王様」とも称され、全世界から愛され続けています。