10月28日 おだしの日
10月28日はおだしの日。和食の要である「おだし」の正しい情報の提供と、美味しく、ヘルシーで体にも良い「おだし」の魅力を知ってもらう事を目的に、「おだし」にこだわった飲食チェーンを展開する株式会社太鼓亭が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、「おだし」素材の代表格である「かつお節」の「燻乾カビ付け製法」を考案した江戸時代の紀州印南浦(現在の和歌山県印南町)の漁民、角屋甚太郎氏の命日(1707年10月28日)から、10月28日とした。
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出汁(だし)は、料理の味を形成する基本的な要素であり、特に日本料理においては欠かせない存在です。出汁は、素材のうま味成分を水に抽出して作ることで、料理に深みと豊かな味わいを加えます。主な出汁の原料には、鰹節(かつおぶし)、昆布(こんぶ)、煮干し(にぼし)、しいたけなどがあり、これらを単独で使うことも、複数組み合わせて使うこともあります。
日本の出汁文化は長い歴史を持っており、そのルーツは縄文時代にまで遡ります。当時、煮物料理が普及する中で、煮汁が持つ風味の良さに気付き、それがだしとしての利用につながったとされています。江戸時代には、今日でも使用される鰹節や昆布などの素材が普及し、日本全国に出汁文化が広まりました。
日本の出汁は、料理の基本となる味の骨格を形成するための煮出した液体です。伝統的には、魚介類、海藻、キノコなどから取られ、それらの素材から抽出されるうま味成分が料理全体の風味を豊かにします。主要な出汁の種類には、鰹節(かつおぶし)から取るカツオダシ、昆布から取る昆布ダシ、煮干しやアジの干物から取る煮干しだし、そして椎茸(しいたけ)から取る椎茸だしがあります。
これらの出汁は、「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」といったうま味成分を含み、それぞれが異なる風味を持っています。特にカツオと昆布のだしを組み合わせることで、うま味の相乗効果が生じ、日本料理特有の深い味わいを生み出します。