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10月1日 ネクタイの日

ネクタイの日

 10月1日はネクタイの日。1884年のこの日に小山梅吉が日本で初めて帯の生地からネクタイを作ったことを記念して日本ネクタイ組合連合会が制定した。

 日付は、初めてネクタイを作った日から、10月1日とした。

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 ネクタイの起源は、古代ローマに遡ります。当時の兵士たちは「フォーカル」と称される布を、防寒具としてだけでなく、戦場での幸運のお守りとしても首に巻いていました。出征する男性たちに対し、その家族や恋人たちは彼らの無事を祈りながら、これらの布を贈っていました。

 時代が下って17世紀のフランス、ルイ14世の治世が始まります。彼がヴェルサイユ宮殿を建設し、そこで彼は護衛任務にあたる兵士たちが首に布を巻いているのを目にしました。その見た目の魅力に惹かれたルイ14世これを真似して自らもそれを身につけ始めました。

 宮廷に訪れる貴族や外国の来訪者たちは、フランス国王が着用しているこの新しいスタイルのアクセサリーを見て、真似をするようになりました。この流行はすぐにヨーロッパ全土に広がり、高級な装飾品としての地位を確立しました。ルイ14世が気に入ったその布は、クロアチア出身の兵士が着用していたことから "cravat" と呼ばれるようになりました。この言葉はフランス語で「クロアチア人」を意味しています。

 日本にネクタイが持ち込まれたのは18世紀のことです。中浜万次郎がアメリカ滞在中に身につけ、帰国時に持ち帰ったとされています。万次郎は土佐の漁師出身で、遭難後にアメリカの捕鯨船に救助され、その後アメリカで生活していました。彼が帰国した際に持ち帰った「白鹿襟飾三個」が日本で最初に記録されたネクタイと考えられています。

 明治時代に入ると、日本でも洋装が徐々に普及し始め、ネクタイは政治家や軍人の間で広く用いられるようになりました。1884年には東京神田に住む帽子製造業の小山梅吉によって、日本で初めて国産ネクタイの製造が行われるようになります。これが日本におけるネクタイ製造の始まりであり、その後、ネクタイはビジネスやフォーマルな場における必須のアイテムとして定着していきました。

 ネクタイはただの装飾品ではなく、社会的な地位や職業、時には個人のアイデンティティを象徴するアイテムとして、多くの文化や時代を通じて受け継がれてきた歴史があります。今日では多種多様なデザインや素材で提供され、個々のスタイルを表現する手段としても広く利用されています。

記念日とかいろいろ

衣服の記念日