10月4日 陶器の日
10月4日は陶器の日。私たちの生活の中に、陶器は様々な用途で使われています。食卓を飾り、インテリアとして暮らしを彩ります。しかし、日常に当たり前にあるものに、心を留めることは少ないでしょう。産地の土地と炎と真心を感じ、改めて「陶器のあるくらし」を実感してもらう日。日本陶器卸商業協同組合連合会が制定した。
日付は、古代の日本では陶器を陶瓷と呼んでいたことから、「
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陶器は焼成された粘土製の容器で、その起源は古代にまで遡ります。日本においては、縄文時代から土器が作られ始め、それが現代の陶磁器の基となっています。縄文土器は約1万年前に製作されたもので、主に手づくりで形成された粗野な質感が特徴です。続いて弥生時代には、技術の進展により、より薄手で規則正しい形の弥生土器が登場しました。
古墳時代には土師器が製造され、これは主に埴輪や祭祀用具として使用されました。そして、5世紀から12世紀にかけての須恵器は、日本の陶磁器の源流とされ、高度な焼成技術により硬質で丈夫な陶器が生産されるようになりました。
奈良時代に入ると、中国の影響を受けて釉薬を施した陶器が生産され始め、これが「陶瓷」と称されました。緑釉や三彩などの装飾技法が導入され、これらの陶器は彩りが豊かで芸術性の高い作品となりました。特に、奈良時代の正倉院文書に記された造仏所作物帳には、当時の釉瓷の製作技法が詳しく記録されており、これは日本陶磁器技術の発展史を知る貴重な資料です。
以降、平安時代を経て、技術はさらに進化し、日本全国で多様な陶磁器が作られるようになりました。特に有名なのは、信楽焼や備前焼などの伝統的な焼き物で、それぞれ独自の土質や焼成技術によって特徴的な風合いが生み出されています。
現代では、陶磁器は日用品だけでなく、アート作品としても広く認識され、世界中でその価値が見直されています。また、伝統技術を守りつつも新しいデザインや技法が取り入れられ、陶芸の可能性が広がり続けています。