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11月1日 年賀状を考える日

年賀状を考える日
ウィキペディアより

 11月1日は年賀状を考える日。年賀状という日本の伝統文化の未来への継承と普及促進を目的に、NPO法人フォトカルチャー倶楽部内にある年賀状普及協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、年賀状用の官製はがきが発売される11月の最初の日である11月1日とした。

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 年賀状とは、新年を祝って知人や友人、家族などに送る挨拶状の一種で、日本の文化に深く根ざした慣習です。この習慣は奈良時代に遡ることができ、その形式は時代と共に進化し、現代では主に郵便はがきを用いて行われます。

 年賀状の起源は、年始に行われる挨拶回りから始まります。平安時代には、文書による年始の挨拶が貴族社会で行われるようになりました。これは、直接会って挨拶を交わすことが難しい遠方の人々に向けたものでした。近世に入ると、武家社会を中心に文書による年始挨拶が一般化し、民間でも口頭の挨拶の代わりに簡易書簡が使用されるようになりました。

 明治時代に入ると、日本の近代郵便制度の確立とともに、年賀状の送付がより一般的なものとなります。1887年頃からは、年賀状を送ることが年末年始の風習として国民の間に広まりました。特に、郵便はがきが発行され始めた1873年からは、その安価で手軽な形式が多くの人々に受け入れられ、年賀状の送付が急増しました。

 年賀状の集中により郵便局の処理量が激増する問題が生じ、1899年には特定の郵便局で「1月1日」の消印を押して元日に配達する特別取扱が始まりました。これにより、年末に投函し元日に配達されるシステムが確立され、1907年からは年賀と明記された葉書は数に関わらず郵便ポストへの投函が可能となりました。

 現代では、年賀状は新年の挨拶だけでなく、家族の近況報告や写真を共有する手段としても利用されています。デジタル化が進む中で電子メールやオンラインのメッセージングサービスも利用されるようになりましたが、年賀状は依然として多くの日本人にとって大切な年始の風習であり続けています。

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