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11月11日 イオン液体の日

 11月11日はイオン液体の日。イオン液体の認知度向上を目的に、イオン液体研究会代表世話人で東京農工大学の大野弘幸学長が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、イオン液体はカチオン(プラスイオン)とアニオン(マイナスイオン)のみで構成されることから、プラス(+)とマイナス(-)を組み合わせた11月11日とした。

イオン液体とは

幅広い温度範囲で液体として存在する塩であり、イオンのみからなる液体。蒸気圧が低い・液体として存在する温度範囲が広い・難燃性である・熱安定性・電気化学的安定性が高い・電気伝導性が高い・ある種の物質をよく溶かすといった特徴があり、様々な分野で活発に研究され、すでに実用化されているものも多数ある。

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 イオン液体は、その名の通りイオンのみからなる液体で、室温付近で液体の状態を保つことができる特殊な塩です。これらは主に大きな有機カチオンと小さなアニオンの組み合わせにより構成されており、融点が非常に低く、多くの場合、常温で液体として存在します。

 イオン液体は熱安定性や電気化学的安定性が高く、蒸気圧がほとんどないために揮発しないという特性を持っています。これにより、環境に対する影響が少なく、持続可能な化学プロセスや、クリーンな製造技術の開発に利用できる可能性があります。

 具体的な用途としては、電解質としての利用が特に注目されています。リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池などのエネルギー関連のアプリケーションにおいて、イオン液体は電解液として優れた特性を発揮します。また、高い電気伝導性と難燃性から、安全性が求められる環境での使用が期待されています。

 さらに、イオン液体は優れた溶媒としての特性も持ち合わせており、化学合成、抽出、精製プロセスにおいて、従来の有機溶媒に代わる選択肢として利用されています。この特性により、製薬産業や化粧品産業での有効利用が進んでいます。

 その他、イオン液体は潤滑剤やめっき用途にも応用されており、特に過酷な条件下や特殊な環境下での利用が検討されています。例えば、宇宙開発における小型イオン推進システムや、高温環境下での機械部品の潤滑剤としての使用など、その応用範囲は広がりを見せています。

 イオン液体は、これらの特性を活かして、環境に優しい技術や新たな産業応用への道を切り開いている新材料であり、今後の技術革新において中核となる存在になることが期待されています。

記念日とかいろいろ

11月11日の記念日