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11月5日 お香文化の日

 11月5日はお香文化の日。長い歴史から生まれた線香、匂い袋、練香、香木といった数々のお香とそれにまつわる周辺文化の普及促進を図ることと、記念日をキッカケにお香文化に触れてもらおうと、愛知県薫物線香商組合が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、いい(11)(5)」という語呂合わせから、11月5日とした。

お香の豆知識

お香文化の日
引用元:愛知県薫物線香商組合

 552年に仏教が伝来した頃にお香も伝わったと考えられており、『日本書記』や『枕草子』『源氏物語』などにも登場する。また、世界のお香の歴史は、5000年ほど前、古代エジプトの時代にまでさかのぼることができ、当時、ミイラづくりに香料が使われていたとされる。

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 お香の歴史は古代文明までさかのぼり、その起源は約5000年前の古代エジプトにまで遡ります。当時、お香は防腐剤としてミイラ作りに使用されるほか、神聖な儀式で神々に捧げる目的で焚かれました。これは良い香りが神聖なものとされ、悪霊を払い病を治す力があると考えられていたためです。

 お香の文化は、インドで仏教と結びつき、瞑想や精神集中の手段として使用されるようになりました。その後、中国を経由して日本に伝わり、日本では特に宮廷や貴族の間で大いに発展しました。香木として珍重されたのは、阿吽(アロエスウッド)や白檀(サンダルウッド)などがあり、これらは香りの良さと希少価値から高く評価されています。

 日本では、平安時代には「香道」として、お香を焚くことが一つの文化的趣味として確立しました。特に茶道や華道と並び、日本の伝統文化として重要な位置を占めるようになります。香道では、「聞香」という嗅覚を用いた遊びが行われ、香りを楽しむことで心を豊かにするとされています。

 江戸時代には、お香の享受が一般庶民にも広がり、線香が発明されることで、さらに普及しました。線香は、仏事のみならず、家庭でのリラクゼーションや空間の演出など、さまざまな用途で使用されるようになります。

 現代では、お香は世界中で広く使用されており、その形状や香りも多様化しています。健康や癒し、空間の浄化、気分転換などの目的で用いられており、高まるストレス社会の中で心の安らぎを求める人々にとって、お香はその香りによって特別な癒しを提供しています。

記念日とかいろいろ