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11月3日 赤べこの日

赤べこの日

 11月3日は赤べこの日。福島県河沼郡柳津町に事務局を置くNPO法人 奥会津まちづくり支援機構が制定し、日本記念日協会が認定した。

 柳津町は大地震で壊れた圓藏寺再建の際に赤毛の牛の群れが崖の上に資材を運ぶのを助けてくれたという「赤べこ」伝説発祥の町といわれている。福島県の郷土玩具として名高く、魔除けにも用いられる「赤べこ」を活用して、町の歴史や文化をさらに多くの人に知ってもらい盛り上げるのが目的。

 日付は、圓藏寺が数字の13を大切にしていることと、町の文化「赤べこ」を敬愛する意味を込めて「文化の日」と同じ、11月3日とした。

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 赤べこは福島県会津地方の伝統的な郷土玩具で、赤い牛を模した張子の工芸品です。「べこ」とは東北地方の方言で「牛」を意味し、この玩具は特に子どもの病気除けや健康を願うお守りとして用いられてきました。その体色の赤は魔除けの効果があるとされ、黒い斑点は痘(とう)を表し、病に罹患しても重症化しないよう子どもたちに赤べこを贈る習慣があります。

 赤べこの起源には複数の説がありますが、一つは平安時代に蔓延した疫病を鎮めたとされる赤い牛に由来するとされ、もう一つは江戸時代の会津地震の際に資材を運んだ赤い牛にちなんでいます。また、1713年に会津地方で天然痘が蔓延した際、赤べこに黒い斑点を加えて病気回避の願いを込めたという伝承もあります。

 赤べこの製法は伝統的なもので、木型に和紙を何層にも重ねて貼り付けて形成します。成形した後は胡粉で下塗りをし、赤い染料で着色されます。顔や模様は墨で絵付けされ、首が自然に揺れるよう糸で吊るされています。これにより、ほんの少しの動きでも頭部が揺れる仕組みが子どもたちに喜ばれています。

 現代では、赤べこはただの玩具ではなく、日本文化の象徴として国内外で価値を見出されています。そのユニークなデザインと文化的意味合いから、日本を代表する工芸品としても評価されており、観光土産やコレクションとしても人気があります。また、厄除けや健康祈願の贈り物としても根強い人気を誇っており、丑年には特に売れ行きが伸びることが知られています。

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