12月1日 東京水道の日
12月1日は東京水道の日。120年以上に渡り、都民の生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして、安全で高品質な水を届けてきた東京の水道の歴史を記念するとともに、その大切さを多くの人に知ってもらおうと、東京都水道局が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、東京の近代水道の始まりとして、淀橋浄水場から神田・日本橋地区に給水を開始した日(1898(明治31)年12月1日)にちなんで、12月1日とした。
東京水道の歴史を顧み、12月1日を近代水道の出発点として、東京水道の魅力を発信する一つの契機にしたいという東京水道グループの取組の一つとして、政策連携団体である東京水道サービス株式会社からの提案を受け制定された。
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東京水道の歴史は江戸時代にまで遡ります。初期の水道設備は主に石や木を使用した水路であり、神田上水や玉川上水などが有名です。これらの水道は主に飲料水として、また日常生活用の水として利用されていました。
明治時代に入ると、都市の近代化と共に古い水道システムの限界が明らかになりました。特に大規模な火災やコレラの流行を契機に、東京の近代水道が計画され、明治31年(1898年)には多摩川の水を利用した新たな水道システムが完成しました。これにより、清潔で安全な飲料水が東京市内に供給されるようになりました。
20世紀を通じて、東京の人口増加と都市拡大に伴い、水道インフラの拡張が継続的に行われてきました。特に戦後の高度経済成長期には、新たな水源の開発と大規模な浄水場の建設が進められました。これにより、東京水道は世界有数の規模を持つ水道システムへと成長しました。
21世紀に入ると、東京水道はさらに多くの課題に直面しています。人口減少や老朽化したインフラの更新、さらには首都直下地震への対策など、新たな戦略が求められています。これに応えるために「東京水道新世紀構想STEP21」や「東京水道長期構想STEPⅡ」など、未来に向けた長期計画が策定され、持続可能な水道サービスの提供が進められています。
また、気候変動や技術革新に対応するための施策も積極的に展開されており、東京水道は持続可能な都市インフラとして、その重要性をさらに増しています。これからも東京水道は、安全でおいしい水の供給を保証するとともに、環境保全や社会貢献を重視した運営が求められていくでしょう。