12月25日 未来を担う水素電池の日
12月25日は未来を担う水素電池の日。既存の蓄電池とは異なる優れた特性を持つ水素電池を活用することで、石油エネルギーから再生可能エネルギーと電池にと劇的な変化をもたらすことを多くの人に知ってもらうことと、その未来を実現させていくことを目指す企業等の熱い想いを後世に伝えていくことを目的に、水素電池の技術や製品、システム開発などの関連企業によって組織される福島県石川郡古殿町の先進エクセルギー・パワー研究会が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、先進エクセルギー・パワー研究会が初めて会合を開催した日(2018年12月25日)にちなんで、12月25日とした。
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水素電池は、水素と酸素を化学反応させて直接電気を生成する装置で、燃料電池の一種です。この技術は、燃焼を伴わずに電気エネルギーを生成するため、従来の熱機関に比べて効率が高いとされています。また、この過程で水(H₂O)のみを生成し、有害な排出物がほとんどないため、環境に優しい技術として注目されています。
水素電池の基本的な仕組みは、陽極(アノード)で水素が酸化されることによってプロトンと電子に分けられ、プロトンは電解質を通過して陰極(カソード)へ移動します。一方、電子は外部回路を通って電気エネルギーとして利用され、最終的に陰極で酸素と反応して水を生成します。この連続的な反応により、電力が生成され続けます。
水素の供給源としては、従来は天然ガスやLPG、メタノールなどが改質されて使用されていましたが、カーボンニュートラルを目指す動きとともに、再生可能エネルギーを利用した電気分解やバイオマスを原料とする方法が開発されています。これにより、水素の生産から利用までのプロセスがさらに環境に優しいものになりつつあります。
また、水素電池は発電のみならず、生成される熱を活用することで、家庭や工場などでの熱源としても利用することが可能です。これにより、エネルギーの総合利用効率をさらに高めることができ、エネルギー消費の効率化が進められています。
水素電池は、自動車やバス、さらには固定型発電所としても利用されており、特に交通機関におけるCO₂排出削減の有効な手段とされています。これらの応用により、水素社会の実現に向けた重要な技術の一つとして位置づけられています。
エクセルギーとは
エネルギーの価値や質を数値化したもの。ex(外へ)とergon(仕事)から作られた言葉で、1956年にドイツの熱力学学者Zoran Rantが提案した言葉だとされている。
全エネルギーを、利用できるエネルギーと利用できないエネルギーに分け、利用できるエネルギーを「エクセルギー」と呼んでいる。有効エネルギーとも呼ぶ。
先進エクセルギー・パワー研究会
地球温暖化対策として、電力供給源に再エネ・蓄電池・燃料電池などを使い、負荷にも蓄電池を中心とした省エネルギー化を行うことが急務となっていることから、エネルギー供給方法の変化や新たな市場構築に向け電力システム制度改革が進む中で、電力ビジネスは今後確実に大きく変革していくと考えられる。
また、エネルギー自給率の低迷、世界的な温室効果ガスの削減を踏まえると、省エネルギー社会を実現させる技術開発およびその技術を製品またはシステムとして展開させていくことが必要である。
よって、先進エクセルギー・パワー研究会は、水素技術を応用した新型電池である「エクセルギー電池」(エクセルギー・パワー・システムズ(株)の登録商標)を利用して、フローティングや高速充放電特性などにより再エネの導入と省エネに役に立つ技術やビジネスを検討している。