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12月1日 パネットーネの日

パネットーネの日
ウィキペディアより

 12月1日はパネットーネの日。イタリアの伝統菓子「パネットーネ」を作る職人の技術向上支援、文化継承を目指して活動する一般社団法人 日本パネットーネ協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 イタリアの製法に基づいて作られる日本国内のパネットーネ職人に対する支援や、消費者に「職人のパネットーネ」の価値を伝えることが目的。

 日付は、キリスト降誕を待ちわびるクリスマスイヴまでの4週間を「アドヴェント」と呼び、この時期に食べるお菓子「アドヴェントスイーツ」としてイタリアでは「パネットーネ」を少しずつ食べ始めることから、クリスマス月の最初の日である、12月1日とした。

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 パネットーネ(伊: Panettone)は、イタリアの伝統的な発酵菓子パンであり、特にミラノで発祥したものです。クリスマスシーズンに多くの家庭で楽しまれ、その特徴的な形状と風味で広く親しまれています。パネットーネは、ドライフルーツが入った甘く柔らかな生地を持ち、円筒形でドーム型の見た目が特徴です。この菓子パンの名前は、「大きなパン」を意味し、特にクリスマスの特別な食べ物としての地位を確立しています。

 パネットーネの生地は、ブリオッシュに似たリッチな配合で、卵、バター、砂糖がたっぷりと使われています。また、レーズンやオレンジピール、シトロンなどのドライフルーツが混ぜ込まれ、甘酸っぱい風味がアクセントとなります。生地にはパネットーネ種という自然酵母が使用されることが多く、この酵母は酵母と乳酸菌が共存する珍しいもので、独特の風味と長い保存期間をもたらします。

 パネットーネの起源については、いくつかの説があります。ミラノを統治していたスフォルツァ家のシェフがクリスマスの晩餐用のケーキを焦がしてしまい、見習いコックのトーニが急遽作ったデザートパンが始まりだと言われています。このパンが非常に美味しかったため、「トーニのパン(パン・デ・トーニ)」と呼ばれるようになり、そこからパネットーネという名前が生まれたとも言われています。

 クリスマスシーズンには、イタリア全土でパネットーネが家庭や店頭に並びます。以前は家庭で手作りすることが多かったのですが、現在ではパン屋やスーパーマーケットで購入するのが一般的です。パネットーネは長時間発酵させることが必要で、その手間と時間がかかるため、手作りする家庭は減少しています。しかし、手作りのアルティザンパネットーネは今でも高く評価され、特にクリスマス前にはコンテストが開催されるほどです。

 パネットーネの作り方は複雑で、まず強力粉、パネットーネ種、砂糖、卵、バターを混ぜ合わせて捏ねます。この生地を何十時間もかけて発酵させ、その間に数回の休ませる工程を繰り返します。レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを練りこんだ後、紙の型に入れて焼き上げます。焼き上がったパネットーネは逆さに吊るして冷ますことで、膨らんだ生地がしぼむのを防ぎ、ふんわりとした形を保ちます。

 パネットーネはそのまま食べても美味しいですが、トーストしてサクッとした食感を楽しんだり、アイスクリームや生クリームを添えたりしても美味しいです。また、生ハムやスモークサーモン、サラミなどの塩気のある食材ともよく合います。日持ちがするため、クリスマス前から少しずつカットして食べることができ、ドライフルーツが熟成して生地になじんでいく過程も楽しめます。

 パネットーネはクリスマスに欠かせない存在として、イタリアだけでなく世界中で親しまれるようになりました。これからもその伝統を守りながら、新しいフレーバーや形状のバリエーションが登場し、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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