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12月13日 宍道湖中海の生態系を守る日

宍道湖中海の生態系を守る日
引用元:島根県HP

 12月13日は宍道湖中海の生態系を守る日。島根県松江市で自然環境の調査・研究、シジミの漁業振興を目的とした調査・研究などをおこなっている日本シジミ研究所が制定し、日本記念日協会が認定した。

 淡水と海水が混じる汽水域は水産資源の宝庫であるが、環境変動の激しい水域でもある。昭和30年代から始まった経済成長期に治水・利水のために傷つき乱れてしまった島根県の宍道湖・中海の汽水生態系を守ることが目的。

 日付は、反対する多くの市民の努力によって、1963年からおよそ40年間に渡って行われた国家的巨大公共事業「中海・宍道湖干拓・淡水化事業」の正式な中止表明が2002年12月13日に当時の農林水産大臣よりなされたことである、12月13日とした。

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 宍道湖(しんじこ)と中海(なかうみ)は、島根県と鳥取県にまたがる日本有数の汽水湖で、それぞれ日本で7番目と5番目に大きい湖です。これらの湖は、斐伊川から流れ込む淡水と日本海から流入する海水が混ざり合う汽水湖であり、独特の生態系を持っています。

 宍道湖は、面積約79.2平方キロメートル、平均水深4.5メートルで、シジミ、シラウオ、ワカサギなどの魚類が豊富に生息しています。また、ヤマトシジミの漁獲量が多く、漁業が盛んです。湖周辺にはヨシが生育し、多様な水鳥が生息しており、特にガンやカモ類が多く見られます。

 一方、中海は面積約86.3平方キロメートル、平均水深5.4メートルで、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモなどのカモ類が多く飛来します。中海も漁業が盛んで、スズキやスズキなどの魚類が捕れます。中海と宍道湖の一帯は、希少な鳥類の生息地としてラムサール条約に登録されており、水鳥の越冬地として重要な役割を果たしています。

 宍道湖と中海は、歴史的にも地理的にも興味深い場所です。縄文時代から湖としての形態が形成されており、斐伊川の堆積物により現在の地形が作られました。湖岸では釣りやウィンドサーフィン、クルージングなどのレクリエーション活動も盛んで、自然観察やバードウォッチングの場としても人気です。

 さらに、宍道湖と中海の周辺地域は、出雲平野や弓ヶ浜半島などの豊かな自然環境に囲まれており、地質学的にも重要な地域です。島根半島・宍道湖中海ジオパークとして認定されており、観光や教育の場としても注目されています。