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毎月10日 LPガス消費者保安デー

 毎月10日はLPガス消費者保安デー。LPガスに関する正しい知識普及のため、1976年特殊法人高圧ガス保安協会のLPガス消費者保安センターが制定した。

LPガスについて

 LPガスは液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)の略で、その名の通り石油ガスを液化したものを指します。家庭で一般的に使用されるLPガスの主成分はプロパン(C3H8)であり、このためにLPガスはプロパンガスとも呼ばれています。さらに、ガスライターに使用される液体はブタン(C4H10)という成分であり、これもLPガスの一種となります。

 LPガスは気体の状態では空気よりも重たい性質があり、空気の約1.5~2倍の重さを持ちます。そのため、もし家庭でLPガスの漏れが発生した場合、床面をはうように広がり、低い場所に滞留する特性があります。一方で、都市ガスは空気より軽く、漏れた場合には天井の方へと上昇する性質を持っています。

 また、LPガスは液体に容易になる性質を持っています。液体の状態では、気体のときの約250分の1の体積になるため、運搬や保存が非常に効率的になります。このため、輸入や配送の際には液体の状態で運ばれます。

 LPガス自体は無臭ですが、安全対策としてガス特有の臭いが付加されています。これは、万が一ガスが漏れた際にすぐに気づけるようにするための措置です。この付加された臭いの成分は燃焼すると無臭になるため、LPガスが正しく使用されている限り、その臭いを感じることはありません。

 さらに、LPガスはクリーンなエネルギーとしてのポテンシャルを持っています。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が他の化石燃料と比較して少なく、酸性雨に影響を与える窒素分を全く含んでおらず、硫黄分もほとんど含んでいません。そのため、SOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)対策として有効なエネルギー源となっています。また、オゾン層の破壊につながる特定フロンに代わる物質として、エアゾール用途などでLPガスが使用されています。

 LPガスは私たちの日常生活に不可欠なエネルギー源でありながら、その持つ特性から環境問題への対策にも貢献できる可能性を秘めています。その扱いには注意が必要ですが、適切に使用することで家庭や産業、自動車燃料といった分野でクリーンなエネルギーとして役立てることができるのです。