カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

2月2日 麩の日

お麩

 2月2日は麩の日。全国の特徴のある麩の食べ方などをPRするために、協同組合全国製麩工業会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、「2」を「ふ」と読む語呂合わせから、2月2日とした。

お麩の豆知識

 お麩は、小麦粉に含まれる「グルテン」というたんぱく質から作られる食材で、焼いて作る「焼き麩」や、茹でて作る「生麩(なまふ)」などの種類がある。

 中国の食材「麪筋(めんちん)」が原形で、日本には南北朝時代(1300年代)に伝わってきたと言われている。

麩(ふ)の歴史とその文化的背景

◆◆◆

 麩の起源は、中国の「麪筋(メンチン)」にあるとされており、小麦粉を水で練り、デンプンを水で洗い流した後、弾力のある粘った物が得られるという製法が用いられていました。この麪筋はタンパク質の塊であるグルテンで構成されており、誤って「麺」の漢字を使うことは避けるべきです。日本への伝来は南北朝時代または室町時代とされ、仏僧の留学や精進料理の影響で広まりました。

 当初、麪筋は寺院や宮中で特別に作られていた食品で、特に仏僧にとって貴重なタンパク源であったことから、京都を中心に発展していったとされています。古書籍や古文書からは、大きな釜で茹でたり、煎麩や炙麩として使われていた様子が伺えます。当時の国産小麦が少なく高価であったため、一般の人々が口にすることは少なかったようです。

 桃山時代には、「ふのやき」という名で文献に登場し、料理ではなく菓子として珍重されました。江戸時代に入ると、全国に広まり、地域特色のある麩が作られるようになりました。精白小麦粉の輸入や国産化によって、現代の麩への道が開かれ、食文化に幅広く取り入れられるようになりました。

 しかし、第二次世界大戦の影響で食糧難に陥り、麩業界は停滞。戦後の食生活の洋風化や後継者問題などもあり、製造業者数は減少傾向にあります。

 麩はその製法と用途の多様性から、料理だけでなく菓子や釣りエサなどにも使われる多才な食材であります。特に精進料理や京料理など、日本の伝統的な食文化と深く結びついており、地域や時代背景に応じて様々な変化を遂げてきました。

 麩の歴史と文化的背景を通して、小麦の加工技術の進化や食文化の変遷、そして人々の暮らしや価値観といった社会的側面を垣間見ることができるのです。この多様で豊かな食材は、現代においても私たちの食卓を彩り、食文化を豊かにしています。その歴史から学ぶことは、食に対する理解を深めるだけでなく、人々と文化が織りなすコミュニティの素晴らしさに気付かせてくれるでしょう。