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~今日は何の日?~

2月11日 初午いなりの日

稲荷寿司

 2月11日は初午(はつうま)いなりの日。「初午いなり」の事を、一般社団法人全日本いなり寿司協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、初午となる日に近い国民の祝日の「建国記念の日」と同じ2月11日とした。

初午いなりとは

 初午とは2月最初の午の日のことで、この日に稲荷神社では商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達・病気平癒など、様々な幸を願う祭りが行われる。

 初午は運気が高まる日とされ、稲荷神社のお使いであるキツネの好物の油揚げを使った「いなり寿司」を食べると福を招くと言われている。このいなり寿司のことを「初午いなり」と呼ぶ。

稲荷寿司の豆知識

 稲荷寿司に関する最古の史料は、江戸時代後期について記された「守貞謾稿(もりさだまんこう)」という書物で、この書物に書かれている内容から、発祥の地は名古屋・豊川・江戸のいずれかであるとされているが、はっきりとした記載はないため詳細は不明。

 語源については、稲荷神の神の使いである狐の好物が油揚げであるという言い伝えからいなり寿司の名が付いたという説がある。また、地方によっては「こんこん寿司」「きつね寿司」と呼ばれることもある。

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 いなり寿司は、日本の伝統的な寿司の一つで、その歴史は江戸時代にまで遡ります。江戸時代末期の文献『守貞謾稿』に、いなり寿司の存在が初めて記され、その頃から庶民の間で愛される手軽で美味しい食べ物として注目されていました。当時は「振売(ふりうり)」というスタイルで、天秤棒にざるや木桶などを取り付けて街を歩きながら売られていたという記録も残っています。また、幕末には店舗での販売も始まり、大変な繁盛を見せたと伝えられています。

 いなり寿司の名前の由来は、稲荷神社とその使いである狐に関連していると言われています。稲荷神は五穀豊穣の神であり、稲荷と狐の関係は古くからの信仰に基づいています。狐は、穀物を食べる害獣であるネズミを捕食することや、尾の形や色が実った稲穂に似ているため、古くから神の使いとされてきました。この稲荷と狐の関係性が、いなり寿司の名前の由来として広まったとされています。

 また、京都の伏見稲荷大社には、稲荷の由来に関する物語が伝えられています。奈良時代の文献によれば、伊呂具秦公が餅を的にして弓を射ようとした際、その餅が白鳥に変わって飛び去り、その場所に稲が生えたという伝説があります。この伝説から、稲荷の名が生まれたとも言われています。

 いなり寿司は日本の歴史や文化、信仰と深く結びついた食べ物であり、その美味しさとともに、長い時を経てもなお多くの人々に愛され続けているのです。