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2月14日 予防接種記念日

予防接種

 2月14日は予防接種記念日。天然痘予防に尽力した緒方、天野、黒田の三偉人と予防接種は秋月(あきづき)藩から始まったことを広く知らせるために、「予防接種は秋月藩から始まった」キャンペーン推進協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、寛政2年2月14日に初めて天然痘の予防接種を成功させたことから、2月14日とした。

天然痘予防接種の豆知識

 寛政2年(1790年)2月14日に秋月藩医の緒方春朔(おがた しゅんさく)大庄屋(おおじょうや)天野甚左衛門(あまの じんざえもん)の二人の子どもに、初めて天然痘の予防接種である人痘種痘を行い成功させた。また、秋月藩主の黒田長舒(くろだ ながのぶ)は緒方春朔を藩医に取り立て種痘研究を助け、成功した種痘を全国に広げるように支援した。

◆◆◆

 緒方春朔は、18世紀末から19世紀初頭の日本において、種痘法を実践し、天然痘の予防に尽力した医師であります。天然痘は、その時代の日本において非常に恐ろしい伝染病であり、多くの子供たちが命を失う恐怖の病気でした。この病気の恐ろしさから、患者は避けられ、孤立した生活を送ることが多かったのです。

 春朔が医学の道に進むきっかけとなったのは、この天然痘との接触でした。彼は、天然痘が猛威を振るう中、子供たちが次々と命を失っていく光景に直面し、この恐ろしい病気を何とかして予防したいとの強い思いから、種痘法の研究と実践に乗り出します。彼は、中国の医書『醫宗金鑑』から得た知識を元に、種痘法を日本で初めて成功させました。これは、ジェンナーの牛痘種痘法が成功する6年前のことでした。

 しかし、この種痘法は当時の日本において非常に革命的であり、多くの人々から疑念や反感を持たれました。天然痘の恐怖から人々は遠ざけていたこの病気のかさぶたを健康な人に移植するという行為は、多くの医師や市民から危険であるとの声が上がりました。しかし、春朔はその困難を乗り越え、一人ひとりに種痘法の安全性と効果を丁寧に説明し、理解を求めました。彼は、医療の知識や技術を一部の人々だけが持つのではなく、一般の人々にも広めるべきだという信念を持っていました。

 また、春朔は種痘法を広める中で、医療における公平性という大切な価値観を持っていました。彼は、位の高い人も低い人も、金持ちも貧しい人も、全ての人々に平等に医療を提供すべきだという考えを持っていました。この彼の姿勢は、今日の医療の現場でも非常に重要なものとして受け継がれています。

 緒方春朔の生き様や考え方は、現代の私たちにとっても多くの教訓を与えてくれます。彼の情熱や信念、そして医療に対する純粋な愛情は、きっと多くの医療従事者や患者にとって、大きな励みとなるでしょう。

大庄屋

 江戸時代の村役人の一つ。数か所から数十か所の村を管理していた。

秋月藩

 現在の福岡県の一部を管理していた藩。

記念日とかいろいろ

健康の記念日