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4月10日 ほうとうの日

 4月10日はほうとうの日。「ほうとう」の美味しさをより多くの人に知ってもらい、消費の拡大を図る目的で、山梨県中央市に事務局を置くたべるじゃんほうとう推進協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、ほう(4)とう(10)」の語呂合わせから、4月10日とした。

ほうとうとは

ほうとうの日

 山梨県を中心とした地域で作られる郷土料理。2007年に農林水産省により「農山漁村の郷土料理百選」の1つに選ばれた。小麦粉を練って作った幅の広い麺を野菜と共に味噌仕立てで煮込んだ料理。

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 ほうとうは、山梨県を中心とした地域で長く愛されてきた郷土料理で、2007年には「農山漁村の郷土料理百選」の一つに選ばれるなど、その歴史と文化的価値が高く評価されています。この料理の魅力は、シンプルながらも深い味わいと栄養のバランスの良さにあります。基本的には、小麦粉を練り、ざっくりと切った太くて短い麺を、カボチャや他の野菜と共に味噌仕立ての汁で煮込んで作られます。ほうとうは、必ずしも麺料理の形態に限定されず、地域によっては小麦粉以外の穀物を使用したり、麺の形状が異なるなど、バリエーションに富んでいます。

 ほうとう作りにおいては、生地にグルテンの生成によるコシを求めず、塩を練り込まないため、生麺の状態から直接煮込むという特徴があります。これにより、汁には自然なとろみが出て、深い風味が生まれます。山梨県では専用の生麺が流通しており、手軽にほうとうを楽しむことができますが、自家製の麺を使用することで、より伝統的な味わいを再現することも可能です。

 ほうとうは野菜類のビタミンや繊維質、小麦粉や芋類からのデンプン質、味噌によるタンパク質といった、バランスの取れた栄養素を摂取することができる料理です。特に、カボチャの甘味と味噌の塩気が絶妙に絡み合うことで、その独特の美味しさが引き立ちます。また、余ったほうとうを翌日に沸かし直して食べる「沸かし返し」は、味がより深まり、多くの人々に好まれる食べ方です。

 ほうとうの歴史は古く、山梨県内の考古遺跡から出土した石臼などが、その起源についての手がかりを提供しています。また、ほうとうは米の栽培が困難な地域で麦の裏作が一般的であった背景から、経済的かつ栄養価の高い食事として発展してきました。このように、ほうとうは単なる郷土料理を超え、地域の歴史や文化、生活の知恵が詰まった料理として、今もなお多くの人々に親しまれ、大切にされているのです。

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