4月21日 川根茶の日
4月21日は川根茶の日。静岡県の川根茶を多くの人に知ってもらうために、川根お茶街道推進協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、新茶のシーズンの直前で、立春から数えて七十七夜となることの多いことから、4月21日とした。
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川根茶は、長い歴史と伝統を持つ日本の三大銘茶の一つです。その起源ははっきりとしていませんが、1242年に聖一国師が中国から茶の種子を持ち帰り、安倍川沿いに播いたことから始まったとされています。その後、大井川上流から中流域にかけて茶の栽培が広がり、特に1602年には川根地域で茶が租税として上納されていた記録があります。
川根茶の発展には多くの先駆者たちの努力がありました。1837年には、伊久身村の坂本藤吉が宇治で煎茶製茶法を学び、この技術を地元に広めたと言われています。また、明治時代には前山の山本長右衛門や、藤川の故中村光四郎翁によって更なる研究が進められ、川根茶の品質向上につながりました。
川根茶の最大の魅力は、その爽やかな香りと、山のお茶らしい旨みや甘みにあります。特に、自然豊かな川根地域の環境が育んだ茶は、口にするときの香りの爽快感や、喉を通った後の余韻の長さが特徴的です。また、一煎目だけでなく、何煎にもわたって味わいの変化を楽しむことができるのも、川根茶ならではの楽しみ方です。
近年では、茶業経営の近代化や合理化が進み、製茶工場でのコンピュータ制御など最新式の設備が採用されています。それにより、高品質な川根茶の生産性が一層高まっています。川根茶は、その豊かな自然環境と、それを大切にする茶農家の手によって育まれた、日本が世界に誇る銘茶の一つです。その優雅な味わいは、日々の生活に安らぎと落ち着きをもたらしてくれるでしょう。