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~今日は何の日?~

4月9日 予祝の日

 4月9日は予祝の日。日本古来からあった伝統文化「予祝」を広めるために、セミナーや会員制の講演会などを企画、運営する人間力大學の予祝プロジェクトが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(4)しゅ(9)」の語呂合わせから、4月9日とした。

予祝とは

 あらかじめ期待する結果を模擬的に表現することで、その通りの結果が得られるという前祝いのこと。

 主に農業分野で行われていた。現在も行われている春のお花見は予祝由来の行事で、満開の桜を秋の豊作に見立て「満開の桜のように、秋の実りも豊かになればいいな」という願いが込められていた。

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 予祝は、豊作や多産などの望ましい結果をあらかじめ祝い、その実現を祈る行事や儀式のことを指します。この概念は、ある事象の望ましい結果を前もって模擬的に表現することで、その結果を引き寄せるという俗信に基づいています。この信念の背景には、言霊(ことだま)の信仰や思考法が存在し、言葉には霊力が宿り、発せられた言葉が現実の世界に直接的な影響を及ぼすという考え方があります。

 予祝の行事は、特に農耕社会において見られ、農耕儀礼の一環として重要な役割を果たしてきました。これらの行事は、一年間の農作業の始まりや、秋の収穫の豊かさを祝うために、事前に模擬的な作業や豊作の実演を行うことで、自然や神々に豊かな収穫を祈願します。

 日本においても、予祝の概念は多くの地域で見られ、獅子舞や風流踊りなどの伝統的な祭事や儀式に組み込まれています。特に「屋敷ぼめ」の歌に見られるように、家や村の繁栄と幸福を祈る言葉を歌いながら、家々を巡ることで、その実現を祈念します。このように予祝は、単なる風習や儀式を超え、共同体の希望や願いを象徴的に表現し、未来への願いを込めた文化的な実践として受け継がれてきました。