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4月19日 四川料理の日

四川料理の日

 4月19日は四川料理の日。本場の四川料理をもっと日本で広めるために、長野県に運営会社を置く四川フェス実行委員会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、四川の「四」で4月。中国語で80のことをbā shí (バーシー)と読み、四川語の「すごくおいしい」の意味と同じ音になることから80÷4で、20日とした。

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 四川料理は、中国の八大菜系の一つであり、その起源は古く、秦の始皇帝の時代から三国時代にかけて形成されたとされています。この地域独特の気候、豊かな食材、独自の食文化の発展が四川料理の多様性と独特の風味を生み出しています。特に、「麻辣」(マーラー)と呼ばれる痺れる辛さが特徴的で、花椒(ホアジャオ)と唐辛子を使用した料理は、その強烈な香りと刺激的な味わいで多くの人々を魅了しています。

 四川料理の発展には歴史的な背景が深く関わっています。唐辛子が伝来する明朝末期から清朝の初頭にかけて、四川料理は従来の甘味を基調とした料理から、辛味を特徴とする料理へと変化しました。四川はサトウキビの栽培や砂糖生産が盛んな地域であり、元から明の時代には自貢での製塩が盛んになり、徐々に濃い味付けが好まれるようになりました。このような背景から、四川料理は「酸・辣・麻・苦・甜・香・鹹」という7つの基本味をバランスよく使い分けることで、複雑で深みのある味わいを生み出しています。

 代表的な四川料理には、世界的にも有名な「麻婆豆腐」や「担々麺」があります。麻婆豆腐は、花椒の痺れる感覚と唐辛子の辛さが特徴で、豆腐を主材料とした濃厚な味わいが特徴です。一方、担々麺は、ピリッとした辛さと花椒の痺れる味わいがクセになる一品で、四川省を代表する麺料理として国際的にも注目されています。

 四川料理は、その刺激的な味わいだけでなく、調理法の技巧にも富んでいます。食材の選択や切り方、調味料の使用、調理時間と方法に至るまで、細やかな工夫が凝らされています。これらの工夫が組み合わさることで、四川料理は多様な味と香りを生み出し、刺激的で深みのあるその味わいは、一度味わうと忘れることができないでしょう。