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5月16日 HAE DAY

 5月16日はHAE DAY。HAE患者自身が難病に負けずに笑顔(スマイル)でメッセージを発信し、世界中の患者の人たちとつながり、笑顔の輪を広げていく日とするために、HAEの患者・家族などが参加するNPO法人HAEJが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、「HAEi」(HAE世界国際患者会)の定めたもので、隔年でハンガリー・ブダペストでHAEについての医学学会が毎回5月16日前後に行われていることから、5月16日とした。

HAEとは

 遺伝子の変異が原因で血液中の機能の一部が低下する病気。身体中に腫れやむくみが繰り返し出てくる。日本語では「遺伝性血管性浮腫」。

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 遺伝性血管性浮腫(HAE: Hereditary angioedema)は、遺伝的な要因により血液中のC1-エラスターゼ・インヒビター(C1-インヒビター)の機能不全が引き起こされる病気です。この機能不全が原因で、体のさまざまな部位に2~3日続く腫れや「むくみ」が発生します。この腫れは皮膚に限らず、のどや消化管など、体の内部にも現れることがあり、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

 HAEの発症には個人差がありますが、一般的には10代から20代にかけての若年期に発症するケースが多いとされています。皮膚の腫れはじんましんに似ていますが、HAEの特徴として強いかゆみを伴わないことが挙げられます。特に、のどの腫れは呼吸困難を引き起こし、生命に危険を及ぼすことがあります。また、消化管の腫れは腸閉塞に似た症状を引き起こし、嘔吐や強い痛みを感じることがあります。

 腫れを引き起こすきっかけは様々で、怪我や長時間の圧迫、外科手術、ストレスなどが挙げられますが、特に明確な原因がなく発症することも珍しくありません。発作の頻度には大きなばらつきがあり、短期間に集中して発生することもあれば、長い間隔を空けて発生することもあります。女性では月経に関連して腹部の腫れが発生することがあるとも報告されています。

 治療には、発作の予防と症状の管理が重要となります。現在では、C1-インヒビターの機能を補う治療薬や、発作を抑える薬剤が利用されています。また、発作のトリガーとなる要因を避けることも、HAEの管理において重要です。

 HAEは、患者とその家族にとって大きな負担となり得る疾患ですが、適切な治療とサポートによって、日常生活の質の向上を目指すことができます。患者本人だけでなく、医療従事者や周囲の理解と協力が、HAEという疾患を抱える上で大きな支えとなります。

記念日とかいろいろ

病気の記念日