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5月25日 シーチキンの日

シーチキンの日

 5月25日はシーチキンの日。シーチキンの美味しさ、様々な料理に使える汎用性を更に広く知ってもらうはごろもフーズ株式会社が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、はごろもフーズ株式会社の創業日(1931年5月25日)にちなんで、5月25日とした。

 シーチキンはマグロやカツオを油漬け、または水煮にして缶に詰めた商品で、はごろもフーズの登録商標でありながらツナ缶の代名詞となっている。

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 シーチキンの歴史は、日本の食文化と缶詰技術の進化が織りなす物語です。1958年にはごろもフーズがマグロの油漬け缶詰に「シーチキン」という名を与えたことから始まります。この名前は、原料となるビンナガマグロの肉質が白く、鶏肉に見立てられることから「海の鶏」とも称されたことに由来しています。はごろもフーズの創業者である後藤磯吉は、当時、日本ではほとんど馴染みがなかったマグロの缶詰を国内市場に広めようと、独自のブランディング戦略を展開しました。

 シーチキンは、ビンナガマグロの他にキハダマグロ、カツオ、鰤を原料に使用し、油漬け、油入り水煮、水煮、調理品という4種類のバリエーションで提供されています。これにより、さまざまな料理シーンでの利用が可能になり、消費者のニーズに幅広く応えています。また、缶とパウチの2種類の容器を用意し、賞味期間や保存方法、使い勝手にも配慮しています。

 シーチキンの開発にあたっては、食の西洋化が進む日本の将来を見据えた磯吉の洞察が光ります。家族構造の変化や生活スタイルの多様化を予見し、缶詰という形態で手軽に、かつ美味しく魚を食べられる製品の開発に成功しました。特に、独自のテレビCMをはじめとする積極的なマーケティング活動により、「シーチキン」というブランドは広く知られるようになり、多くの家庭で愛される食品へと成長しました。

 シーチキンの成功は、単に製品そのものの品質の高さだけではなく、時代の変化を先読みした戦略と、消費者との密接なコミュニケーションを通じてニーズに応え続けた結果です。原料魚の選定から調理方法、容器デザインに至るまで、細部にわたるこだわりが、シーチキンをツナ缶市場における不動の地位へと導きました。はごろもフーズによる革新的な取り組みは、今後も多くの消費者に新しい食の楽しみ方を提供し続けることでしょう。