6月1日 梅肉エキスの日
6月1日は梅肉エキスの日。梅の実のシーズンである6月の初めに、手作りの梅肉エキスを使ってもらうことを目的に、梅の学術研究と啓蒙普及活動を行っている大阪府摂津市の財団法人梅研究会が制定し、日本記念日協会が認定した。
梅肉エキスとは
梅の実の絞り汁を長時間加熱して水分を蒸発させ、ペースト状にした食品。健康補助食品として昔から知られており、血流改善や抗インフルエンザ作用、疲労回復などの効果があるとされている。
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梅肉エキスは、日本の伝統的な健康食品であり、主に青梅、つまり完熟する直前の新鮮な梅の果汁を長時間煮詰めて濃縮したものです。この濃縮過程により、青梅1kgからわずか20g程度の稀少なエキスが得られ、梅干しと比較してもその有用成分は数十倍にも及ぶと言われています。梅肉エキスの生産過程では、化学的な添加物を使用せず、太陽光による自然なUV照射や、弱火での長時間煮込みによって成分を濃縮させます。この手間をかけることで、梅本来の有用成分を最大限に引き出しています。
梅肉エキスは、その強い酸味が特徴で、ペースト状のため直接舐めることができますし、料理の隠し味として醤油や味噌と合わせて使用することも可能です。伝統的には、食あたりや赤痢、コレラなどの伝染病予防に役立ってきました。また、腹痛や下痢、便秘などの腸の不調に対しても効果があるとされ、その強力な殺菌作用や腸内環境を整える効果が評価されています。
さらに、梅肉エキスには血流改善効果が高いとされ、疲労回復、食中毒予防、胃がん予防、抗酸化作用、インフルエンザ感染予防、カルシウム吸収促進、肥満抑制など、幅広い健康効果が報告されています。これらの効果は、梅に含まれる豊富な有機酸やその他の成分によるもので、現代の科学的研究においてもその有効性を解明する試みが進められています。
梅肉エキスの作り方は、青梅を洗って水気を取り、竹串でヘタを取り除いた後に、おろし器ですりおろし、もめん袋などで搾り汁を得ます。この搾り汁を煮詰め、アクを丁寧に取り除きながら濃縮させることで、梅肉エキスが完成します。この過程では、金属を腐食させる可能性があるため、陶製やガラス製の道具や容器の使用が推奨されています。
梅肉エキスは、そのまま摂取することも、お湯で割って飲むこともでき、苦手な方は料理の調味料として活用することもおすすめです。日本の伝統的な健康食品として、長年にわたり親しまれてきた梅肉エキスは、現代に おいても私たちの健康維持に役立つ貴重な食品と言えるでしょう。