6月1日 ねじの日
6月1日はねじの日。1949(昭和24)年6月1日、旧工業標準調査会が日本工業標準調査会と改称し、新たにJIS(日本工業規格)が制定されたことを記念して、社団法人日本ねじ工業協会が制定した。
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ねじは、そのシンプルな構造からは想像もつかないほど、私たちの日常生活や産業界におけるあらゆる場面で不可欠な役割を果たしています。円筒や円錐の面に沿って螺旋状の溝を設けた固着具として、主に別個の部材を締結するために用いられ、その起源は巻貝やつる植物からヒントを得たとされていますが、具体的な発明者や発明時期については明確ではありません。
ねじの種類には、外表面にねじ山があるおねじと、内表面にねじ山があるめねじがあり、通常はこの二つの組み合わせで使用されます。さらに、木材や金属などに直接ねじ込むことで締結するタッピングネジや木ねじもあり、ねじの応用範囲は非常に広いです。また、ねじは回転運動と直線運動の変換にも用いられ、機械の運動や位置決めにも欠かせません。
ねじの発展には、古代から現代にかけて多くの革新がありました。特に、産業革命期にはねじ製造技術の進歩が様々な機械や装置の精度向上に寄与し、量産化を可能にしました。そして、ねじの精度を向上させるための工作機械や、ねじを標準化するための規格が整備され、産業の発展に大きく貢献しました。
日本におけるねじの歴史は、1543年に種子島に漂着したポルトガル人が持っていた火縄銃によってもたらされたとされ、その後、明治時代になって西洋からの技術導入により、ねじ製造技術が発展しました。ねじは、日本の近代化と産業の発展にも重要な役割を果たしてきました。
ねじは、その見た目の単純さとは裏腹に、技術の進歩とともに進化し続ける、非常に重要な工業製品です。「産業の塩」とも称されるほど、現代社会において欠かせない存在であり、今後もその技術の進歩や応用範囲の拡大が期待されています。