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6月2日 ロープの日

ロープの日

 6月2日はロープの日。「線材製品協会・鋼索部会」「全日本ロープ加工組合連合会」とともに、ワイヤロープ業界の認知度向上と、その安全の啓蒙を目的に、全国鋼索商業連合会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、ロープ(62)」の語呂合わせから、6月2日とした。

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 ワイヤーロープは、金属製の素線を複数ねじり合わせて作られる、高い強度と柔軟性を兼ね備えたロープです。1831年から1834年にかけて、ドイツの鉱山技師ヴィルヘルム・アルベルトによって発明され、当初は採掘用途に使用されました。アルベルトの発明以来、麻製のロープや金属チェーンに代わる優れた代替品として、ワイヤーロープは急速に普及しました。

 ワイヤーロープの製造には、「ストランダー」と呼ばれる産業用機械が使用され、素線が特定のパターンでねじられて最終製品になります。直径が9.5 mm(3/8インチ)以上のものをワイヤーロープと呼び、それ以下の細いゲージはケーブルやコードと呼ばれます。素材としては、当初は錬鉄が使われていましたが、現代では主に鋼が使用されています。

 ワイヤーロープはその構造上、鎖や単一の金属棒のような他の固定材に比べて、機械的な欠陥があっても突然の故障に至ることが少ないという特長があります。個々の素線間の摩擦が摩耗を引き起こしますが、これは短期的な小さな欠陥の補償にも役立ちます。

 ワイヤーロープは、動的な用途(クレーンやエレベーターでの持ち上げ、機械力の伝達)だけでなく、構造物の支持(吊橋の支持や塔の支持線)や、ケーブルカーのような貨物を空中で支持・移動するためにも使用されます。また、飛行機の制御面をコックピットのレバーやペダルに接続するためのボーデンケーブルなど、力を伝達するメカニズムにも利用されます。

 ワイヤーロープの構成は、ストランドの数や形状、素線の数や配置によって異なります。通常、数本から数十本の素線を一層または複数層に組み合わせたストランドが、心線の周りに6本所定のピッチでねじり合わされて製造されます。この複雑な構造が、ワイヤーロープの高い引張強度、耐衝撃性、柔軟性をもたらしています。

 ワイヤーロープは「産業の塩」とも称され、その用途は非常に多岐にわたります。その歴史的背景と科学的な進化を経て、現代社会における様々な分野で不可欠な役割を果たしています。