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6月29日 佃煮の日

 6月29日は佃煮の日。魚介類・昆布・豆など種類も多く、不足しがちな栄養素も豊富な佃煮をもっとPRするために、佃煮を扱う全国調理食品工業協同組合が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、佃煮発祥の地の守り神として創建されている東京佃島の住吉神社の大祭が6月29日であることから、6月29日とした。

佃煮のルーツ

佃煮の日

 信長が死んだという知らせを大阪の堺に居た時に受け取った家康は、自らの危険を察知してすぐさま居城のある岡崎(現・愛知県)に帰ろうとしたが、すでに京都は明智勢に押さえられ、帰路にあたる奈良街道も、明智の盟友・筒井勢に押さえられていた。

 そこで、側近として仕えていた服部半蔵が住吉・佃の漁師に家康を紀伊半島に送り届けるように依頼した。その折に漁師たちから分け与えられた保存食「シオフキ」の小魚が佃煮のルーツとなった。

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 佃煮は、日本の食文化に深く根付いた伝統的な保存食であり、その歴史は古く、江戸時代にまで遡ります。小魚や昆布、野菜などを醤油、砂糖、みりんといった調味料で甘辛く煮込んだもので、日本各地にその原料や味わいに特色がある地域ごとのバリエーションが存在します。佃煮の魅力は、その保存性の高さと様々な食材の味わいを凝縮した独特の風味にあり、ご飯のお供としてはもちろん、お茶請けやおつまみとしても親しまれています。

 佃煮の起源は、江戸時代に東京の佃島で始まったとされ、非常食としての需要から広まりましたが、その歴史はもっと古く、織田信長の時代にまで遡るとも言われています。徳川家康が本能寺の変後、大阪・佃村の漁民から小魚煮を提供されたことが、佃煮の起源とも関連づけられています。このように佃煮は、時代や地域を超えて受け継がれ、発展してきた日本の食文化の象徴です。

 佃煮はその種類も豊富で、昆布、いわし、わかさぎ、あさり、えびなどの水産物を始め、ふきや葉唐辛子などの野菜、さらにはいなごやくるみといった独特の食材を使用したものまで、地方ごとに特色ある佃煮が数多く存在します。一般的には水産佃煮、農産佃煮、その他の佃煮に大きく分類され、それぞれが日本の四季や地域の自然を感じさせる味わい深さを持っています。特に、昆布佃煮はその中でも特に人気が高く、塩昆布や角切昆布、昆布巻、しそ昆布といった様々なバリエーションが楽しめます。

 現代においても、佃煮は多くの人々に愛され続けています。その歴史や文化的背景を知ることは、日本の食文化への理解を深めることにつながりますし、佃煮を通じて日本の四季や地域の風土を感じ取ることができます。また、保存食としての実用性も高く、忙しい現代人にとっては手軽に美味しい日本の伝統的な味わいを楽しむことができる素晴らしい食品です。佃煮を取り巻く豊かな歴史や文化を知り、さまざまな種類を味わうことで、その奥深い魅力を再発見する機会となるでしょう。