6月2日 無痛分娩を考える日
6月2日は無痛分娩を考える日 。記念日を通して無痛分娩リテラシーの向上、無痛分娩の安全性の向上などとともに、医療事業者の無痛分娩に対する臨床、教育、研究の発展に寄与するのが目的。
静岡県浜松市に本部を置き、無痛分娩に関しての情報提供などを行う一般社団法人 日本無痛分娩研究機構が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、「
また、江戸時代には旧暦の6月1日に将軍家に氷を献上し、現代ではこの日が「氷の日」とされていることなどもその理由。
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無痛分娩は、麻酔を使用して出産時の痛みを軽減する方法です。主に硬膜外麻酔や脊髄麻酔が用いられ、これにより陣痛の痛みを感じにくくなります。無痛分娩の最大のメリットは、出産の苦痛を大幅に減少させることができる点にあります。これにより、心臓や肺に既存の問題がある妊婦や、高血圧を有する妊婦が、出産時の体への負担を軽減し、より安全に出産に臨むことが可能となります。
また、無痛分娩は出産の体験を穏やかなものにし、産後の体力回復を早める効果があるとされています。出産時の痛みが少ないことで、産後の心理的なストレスも軽減され、育児への早期からの参加がしやすくなるという意見もあります。
しかし、無痛分娩にはリスクも伴います。麻酔を使用することで、足の力が入りにくくなる、血圧が低下する、排尿感が弱まる、体温が上昇するといった一般的な副作用が報告されています。また、非常にまれですが、麻酔薬が予期せず脊髄くも膜下腔に入ってしまうことで、呼吸困難や意識喪失を引き起こす重篤な症状が発生する可能性があります。これらのリスクは、分娩時に医師や麻酔科医としっかりと話し合い、適切な対策と準備を行うことが非常に重要です。
さらに、無痛分娩を行うと、分娩の進行が遅れることがあるため、陣痛を促進するための薬剤投与が必要になることが多くなります。これにより、吸引や鉗子などの器具を使用する可能性が高まり、出産に関連する介入が増加することも考慮する必要があります。
無痛分娩は、それぞれの妊婦さんの健康状態や出産に対する希望を考慮し、医師と十分な相談を行った上で選択することが推奨されます。多くの女性にとって、無痛分娩は出産の大きな痛みを和らげる貴重な選択肢となっていますが、その利点とリスクをしっかり理解し、個々の状況に最適な方法を選ぶことが大切です。