6月4日 佐土原ナスの日
6月4日は佐土原ナスの日。肉厚で上品な美味しさの佐土原ナスの認知度向上と消費の拡大が目的。
宮崎県宮崎市の宮崎市佐土原ナス研究会が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、2000年6月に4粒の種から奇跡的に復活したことから、6月4日とした。
佐土原ナスについて
佐土原(サドワラ)ナスは江戸時代から佐土原藩で作られていた伝統野菜。一時期、生産が途絶えていたが2000年6月に宮崎県総合農業試験場に20年近く保管されていた約500粒の種から4粒が発芽。これをもとに生産者が栽培を始め、年間100トンを超えるまでに復活した。
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佐土原ナスは、江戸時代から宮崎市佐土原町付近で栽培されていた伝統的な路地野菜で、その甘く柔らかい食感が特徴です。しかし、戦後の生産効率や見栄えを重視する市場の動向により、1980年代初頭にはその姿を消してしまいました。
長い間忘れ去られていた佐土原ナスですが、宮崎県農業試験場が保管していた種から20年後に種まきが行われ、わずか4粒の発芽に成功。その後、35株の苗が地元の生産者に託されました。生産者は数々の試行錯誤を経て、少量のナスを出荷し始め、その独特の美味しさと懐かしさが注目を集め、多くの問い合わせがあったとされています。
この茄子の最大の特徴は、その食感と味わいにあります。果肉は非常に柔らかく、甘みが強いことから、焼いた際には口の中でトロリと溶けるような感覚を楽しむことができます。これは佐土原ナス独自の特性であり、他のナス品種とは一線を画します。この独特の食感と味わいは、地元の食文化においても重要な役割を果たしており、地元料理の味を深める要素として珍重されています。
現在では、佐土原ナスの栽培は年間100トンを超える規模にまで成長しており、地元の農業経済にも寄与しています。農業従事者による熱心な取り組みと地域全体の支援により、この貴重な野菜の生産が継続されているのです。また、佐土原ナスは地元の食材としてだけでなく、地域外の市場においても注目され、その美味しさが広く認められるようになりました。
佐土原ナスは、その復活物語と独特の美味しさにより、日本の伝統野菜としての価値を再確認するとともに、多くの料理愛好家や食文化研究者からの注目を集めています。