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~今日は何の日?~

7月2日 柿渋の日

 7月2日は柿渋の日。柿渋の素晴らしさをPRするために、柿渋を扱う大阪市の株式会社柿多冨が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、7月2日頃が暦の上の「半夏生」にあたり、この頃になると山里に山柿が小さな青い実を付け始めて柿渋造りの準備に入ることと、かき(夏季)しぶ(72)」の語呂合わせから、7月2日とした。

柿渋とは

柿渋の日

 柿渋とは、青い未熟の渋柿を圧搾して出来た果汁を醗酵・熟成させた物。古くは平安時代より、塗料・染料・防腐・防水・民間薬などとして使われてきた。

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 柿渋は、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧搾し、発酵・熟成させて得られる赤褐色の半透明の液体です。この液体はカキタンニンを多量に含み、発酵によってカキタンニンとは異なる性質を持つようになります。特に、タンニンの防虫効果や防腐効果に加え、発酵による防水効果も柿渋の大きな特徴の一つです。

 柿渋の歴史は古く、文献には10世紀頃からの記載があります。平安時代には下級侍が着ていた柿衣が柿渋の利用例の一つとされ、その後も木工品や木材建築の塗装の下地塗り、即身仏の防腐など、多岐にわたる用途で使用されてきました。また、紙に塗って硬く頑丈にし防水機能を持たせる用途や、清酒の清澄剤としても広く利用されています。

 製法においては、カキタンニンが多い品種の渋柿を用い、未熟果を収穫し発酵させて「生渋」を得ます。その後、生渋を数年間保存して熟成させたものが使用されることが多いです。特に、20世紀末に開発された新しい製法により、悪臭を完全に取り除いた無臭柿渋も誕生しています。

 柿渋の用途は非常に広範で、防腐作用や防虫効果を活かした伝統的な使用法から、近年ではシックハウス症状を起こさない塗料としての再評価、ノロウイルスの不活化効果や加齢臭対策の石鹸類への応用など、その可能性は広がり続けています。このように多様な効果と用途を持つ柿渋は、古来から現代に至るまで、人々の生活に深く根ざした存在であると言えるでしょう。