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7月21日 日本三景の日

日本三景の日

 7月21日は日本三景の日。日本三景を更に広くPRするために、日本三景観光連絡協議会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、林春斎の誕生日(1618年7月21日)から、7月21日とした。

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 日本三景は、松島、天橋立、宮島の三つの景観を指し、江戸時代初期の儒学者、林春斎が「日本国事跡考」で卓越した美しさを持つ三つの景観として紹介したことに始まります。これらの場所は、その自然の美しさで知られ、日本人の心に深く根ざしています。各地が独自の自然環境と文化的背景を持ち、多くの人々を魅了し続けています。

 松島は宮城県に位置し、260余りの島々が点在する景勝地です。松に覆われた島々が浮かぶ風景は、四季折々の美しさを見せ、古くから多くの文人墨客に愛されてきました。舟遊びや散策を通じて、その風光明媚な景色を楽しむことができます。

 天橋立は京都府にある、砂州によって形成された約3.6kmの長さの独特の地形が特徴です。天に架かる橋のように見えることからこの名がつけられました。天橋立を眺める際には、「見返り美人」と称される特定の場所から振り返って見ることで、その美しさが際立ちます。

 宮島(厳島)は広島県にあり、海上に浮かぶ厳島神社の大鳥居が象徴的な景観を作り出しています。特に、干潮時と満潮時の景色の変化は、訪れる人々に異なる美しさを見せてくれます。また、宮島は紅葉の名所としても知られ、秋には多くの観光客で賑わいます。

 これら日本三景は、単に自然の美しさを楽しむだけでなく、古来より和歌や文学、絵画など様々な文化的表現の中で称賛され、日本人の美意識や旅行文化に大きな影響を与えてきました。また、それぞれが持つ歴史的背景や神話、伝説も、その魅力を一層深めています。日本を訪れる旅人にとって、これらの地は必見の場所であり、日本人自身にとっても、心の原点としての価値を持ち続けています。日本三景は、天然の恩恵として、いつの世も人々に感動を与え続けるでしょう。

林春斎とは

 江戸時代の儒学者。「日本国事跡考」という書物の中で「松島」「天橋立」「宮島」を三処の奇観(素晴らしい眺め)と記し、これが現在の日本三景の由来となった。