8月2日 帆布の日
8月2日は帆布の日。帆船の帆を起源として、工業資材やトラックの幌、生活雑貨、カバンなど様々な分野に使われている帆布の丈夫さや天然素材の優しさなど、その魅力をより多くの人に知ったもらおうと、「高島帆布」などで知られる滋賀県高島市で産業用資材基布・道着の製造、販売などを手がける駒田織布株式会社が制定し、日本記念日協会が認定した。
日付は、帆布には10番糸(8+2)を使うことと、「
帆布とは
平織りという方法で織った厚くて丈夫な布のこと。元々は船の帆に使われていたことからこの名が付いた。現在ではトラックの帆やカバン等に使われている。読み方は「はんぷ」または「ほぬの」。
綿や麻や亜麻で作られており、布という意味のオランダ語"doek"から、昔はズックとも呼ばれた。
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帆布は、綿や麻などの天然素材を平織りで織った厚手の布地です。この名前は、かつて帆船の帆に使用されたことに由来します。糸を撚ることで生地の強度を高め、毛羽立ちを減らしているのが特徴です。優れた耐久性と通気性を持ち合わせており、バッグ、エプロン、カーテン、靴など、日常生活のさまざまな製品に用いられています。
帆布の製造には「平織り」技法が用いられます。これは、経糸と緯糸を交互に織り込む基本的な織り方であり、糸が交差する組織点が多いため、摩擦に強く頑丈な仕上がりが得られます。糸の種類や撚り合わせの本数を変えることで、異なる厚みや質感、風合いを持つ帆布を生み出すことが可能です。
国内の主な帆布の生産地は岡山県倉敷市で、「繊維のまち」として知られています。倉敷は、江戸時代からの綿花栽培の歴史と明治以降に取り入れられた西洋技術の発展により、デニムをはじめ、帆布や畳縁など、さまざまな繊維製品の重要な生産拠点となっています。
帆布の歴史は古く、古代エジプト時代には亜麻で織られた帆布が使用されていました。地中海沿岸では古代ギリシャ時代や古代ローマ時代に帆船の帆として広く用いられ、その後ヨーロッパでは麻や木綿製の帆布が生産されるようになりました。日本では18世紀に工楽松右衛門によって「松右衛門帆」が発明され、帆布の生産が始まりました。
帆布はその堅牢な性質から、かつては帆船の帆や軍用テントなどに用いられていましたが、産業革命による工業化の進展に伴い、大量生産が可能となり、現在では様々な用途で使われるようになりました。その頑丈で実用的な特性を活かし、多様な製品で用いられている帆布は、過去から現在に至るまで、私たちの生活に欠かせない素材の一つです。