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8月4日 箸の日

箸の日
引用元:ウィキペディアより

 8月4日は箸の日。毎日の食事のときに欠かせない箸への感謝を表すことを目的に、箸などの製造・卸・販売を手がける株式会社藤本商會本店が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(84)」の語呂合わせから、8月4日とした。

 この日には、東京・千代田区の日枝神社で、神前に長さ1mの大きな箸を供え、古い箸を焼いて供養する「箸供養祭」が行われる。また、藤本商會本店は愛知県豊橋市の龍拈寺(りゅうねんじ)に「箸塚」の石碑を建立し、30年以上にわたり「箸供養」を行っている。

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 箸は、日本の伝統と文化を象徴する道具の一つであり、その起源は古く、弥生時代から飛鳥時代にかけてさかのぼります。当初は神事で使用される神器としての役割があり、「竹折箸」という形で神様への供え物を扱うために使われていたとされています。この時代、箸はピンセットのような形状で、神聖な儀式で食物を直接手で触れずに扱うための道具として位置づけられていました。

 7世紀になると、中国との交流を通じて、箸の使用が一般的な食事の場にも広まります。遣隋使が中国で箸を用いた食事のもてなしを受けたことから、箸が日本における食文化の一部として取り入れられ、庶民の間にも浸透していきました。日本独自の進化を遂げた箸は、その後、細い箸先が特徴となり、様々な種類が生まれました。特に、日本では箸のみを使用して食事をする文化が発展し、他国にはない独自の食文化を形成しています。

 箸は、日本人の生活に深く根付いており、お食い初めから葬儀に至るまで、人生の様々な場面で使用されます。また、自分専用の箸を持つ文化も、日本特有のものです。このように、箸は単なる食事の道具を超え、日本人の精神文化にも影響を与えていると言えるでしょう。

 日本以外の国々でも箸は広く使用されていますが、匙など他の食器と組み合わせて用いられることが多く、日本のように箸のみを使って食事をする文化は珍しいものです。この独自性は、粘り気のある日本米を食べるのに適しているとも考えられています。

 箸に関する文化や歴史は深く、その形状や使用法には地域ごとの特色があります。神事から始まり、日本人の日常生活にまで深く関わる箸は、日本の伝統と文化を今に伝える大切な道具なのです。