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8月5日 ハンコの日

ハンコの日

 8月5日はハンコの日。印章(ハンコ)の重要性をPRするために、山梨県甲府市の印判総合商社・モテギ株式会社が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(8)(5)」の語呂合わせから、8月5日とした。

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 「ハンコ」は、日本の文化や社会生活に深く根ざした伝統的な印章であり、その語源にはいくつかの説がありますが、一つには江戸時代に版画に使われた板「版行・板行(はんこう)」が転じたもの、または「判を押すことを行う」ことばの「判行」が転じたものとされています。このようにハンコの語源に関しては諸説あり、その真相は未だ明らかではありません。

 印章としてのハンコは、様々な材質で作られており、木、水晶、金属、石、動物の角や牙、近年では合成樹脂が用いられることもあります。これらの材質から作られた印材に、望む印影の逆像を彫刻し、朱肉や印泥、インクを付けて対象物に押し当てることで、独特の痕跡を残します。この痕跡を印影と呼び、印章を押す行為を押印、捺印、押捺といい、調印とも表現されます。

 ハンコは、証明のための実用品として、また篆刻のように美術品としての二面性を持っています。かつては宗教的な護符としての意味合いも持っていましたが、現代ではその機能よりも印影としての内容が重視されるようになりました。ハンコ文化は、文字に芸術性を見出す漢字文化圏や、絵画的な図案を用いる古代文明で独自の発展を遂げました。特に日本では、漢字を用いた書体が好まれ、印影には個性が求められます。

 日本独自の「ハンコ文化」は、中国からの伝来以来、独自の進化を遂げてきました。江戸時代以降、ハンコは公私にわたり広く使用され、現代でも多くの場面で必要不可欠なアイテムとされています。一方で、サイン文化が主流の西洋文化とは異なり、日本ではハンコが正式な証明や認証の手段として根強く残っています。しかし、デジタル化の進展に伴い、ハンコ文化にも変化が求められている現代、その使命や形態が再び注目されるようになっています。