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8月10日 ばねの日

ばねの日

 8月10日はばねの日。動作を伴う大切な機構部品である「ばね」の重要性を多くの人に知ってもらうことを目的に、輸送機器、光学機器、事務機器など、幅広い分野で使われる精密ばねを製造販売する五光発條株式会社が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、ばねやぜんまいのことを発条(はつじょう)と呼ぶことから、(8)(10)」と読む語呂合わせから、8月10日とした。

 同社ではばねの伸縮性や柔軟性を活かした金属バネのブロック「SpLinK」(スプリンク)も企画・製造・発売し、ばねの可能性を広げている。

 漢字で書くと「発条」。

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 ばねは、力を加えることで一時的に形を変え、その力を取り除くと元の形に戻ろうとする特性を持つ機械要素です。この性質を利用して、さまざまな製品の動作に欠かせない部品として活躍しています。ばねの種類は多岐にわたり、使用される環境や必要とされる機能に応じて、適切な形状や材質が選ばれます。

 最も一般的なタイプはコイルばねであり、自動車のサスペンションやボールペンのクリック機構など、日常生活で頻繁に接する場所に用いられています。これに対して、ねじりばねや板ばねは、家庭用品や産業機械など、特定の動作を制御するために特化して設計されています。

 ばねの主要な特徴は以下の三つです。第一に、力を加えたときに変形し、その力を取り除くと元の状態に復元する能力を持つことです。この復元力は、ばねの基本的な機能を形成しており、物体を支えたり、衝撃を吸収するのに役立ちます。第二に、エネルギーを吸収し、蓄積、放出することができる点です。この性質によって、ばねはエネルギー管理装置としても使用され、機械の効率を向上させることが可能になります。第三に、固有の振動数を持つことで、この振動数を利用した機械設計が可能となり、共振現象の管理やノイズの低減に貢献します。

 ばねの用途は非常に広範で、自動車のサスペンションシステムから家電製品、さらには建築物の地震対策に至るまで、多くの分野でその利点が活かされています。特に、耐震技術においては、建物の基礎に設置された巨大なばねが地震のエネルギーを吸収し、建物の揺れを効果的に減少させるために利用されています。

 現代では、ばねの技術はさらに進化を遂げ、電子機器から宇宙航空機器まで、限られた空間で最大の効果を発揮するように設計されています。これらの進歩は、材料科学の進展と密接に関連しており、新しい材料の開発によって、より軽量で耐久性に優れ、環境に配慮したばねが次々と生み出されています。

記念日とかいろいろ