カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

8月24日 歯ブラシの日

 8月24日は歯ブラシの日。歯ブラシでの歯みがきをもっと普及させて、口腔ケアへの関心を高めてもらおうと、歯ブラシをはじめとする予防歯科のための口腔ケア商品の開発、販売などを行う株式会社オーラルケアが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(8)(2)(4)」の語呂合わせから、8月24日とした。

歯ブラシについて

歯ブラシの日

 歯ブラシは使っていくうちに毛先が開いて歯にちゃんと当たらなくなったり、毛に弾力が無くなって汚れを落とする力が弱くなるため、およそ1ヶ月に1度は交換したほうが良い。

 毛先が開いてしまった歯ブラシは新品の時と比べて歯垢の除去率が6割程度にまで下がってしまう。

◆◆◆

 歯ブラシの歴史は、古代文明の日常生活からその萌芽を見出すことができます。初期の口腔衛生の道具として、木の小枝、鳥の羽毛、動物の骨などが使用されていました。これらは、歯を清潔に保つための原始的な方法として機能し、その形態や材質は地域によって異なっていました。

 紀元前3500年のバビロニアや紀元前3000年のエジプトでは、歯木と呼ばれる小枝が歯磨きに用いられていました。これらの歯木は、一端を噛み潰してブラシのようにし、もう一端は爪楊枝として利用されていたのです。これらの歯木は、中国、インド、ギリシャ、ローマといった古代文明においても同様に用いられ、特にインドでは「ダンタカスタ」として知られ、非常に重要な日常用品であったことが記録されています。

 7世紀にはイスラム教徒によってミスワクが使用され始め、これは敬虔な行為とされていました。ミスワクは、特定の木の枝を削って作るため、自然素材を活用した歯の清掃方法として広まりました。また、中国では楊柳の枝を使用した歯木が「楊枝」として知られ、これが現代の「爪楊枝」という言葉の起源ともなっています。

 歯ブラシの形態として現代に近い形の剛毛式歯ブラシは、1498年に中国で豚毛を骨の柄に植えつけた形で登場しました。これが歴史において記録された最初の剛毛式歯ブラシであり、その後、この技術はヨーロッパに伝わりました。中国では豚毛が選ばれたのは、気温が低い地域の豚の毛が硬く、歯ブラシのブラシ部分として適していたからです。宋代の禅僧道元が記述した文献によると、牛の角で作った歯ブラシも存在し、これらの歯ブラシが旅行者によってヨーロッパにもたらされたとされています。

 ヨーロッパでは17世紀ごろから歯ブラシが使用され始めましたが、大量生産されるようになったのは19世紀に入ってからです。初めて英語で「歯ブラシ」という単語が使用されたのは1690年で、その頃には既に中国から輸入された歯ブラシがヨーロッパで流通していました。ヨーロッパ人は中国の豚毛歯ブラシが硬すぎると感じ、より柔らかい馬毛で作られた歯ブラシを好んで使用しました。

 このように、歯ブラシの歴史は多岐にわたり、各地の文化や環境に適応しながら進化してきました。現代 の歯ブラシがどのようにして誕生したのかを知ることは、私たちの日常生活に深く根ざした衛生習慣の背景を理解する上で非常に興味深いです。これからも歯ブラシの進化は続くでしょうが、その基本的な目的は変わらず、私たちの口腔衛生を守るために存在しています。

記念日とかいろいろ