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8月28日 テルミンの日

 

 8月28日はテルミンの日。興味深い演奏方法のテルミンの魅力を広く知ってもらい、その音色を聴く機会を増やすことで、テルミンを通して生活と文化に潤いと発展をもたらすために、テルミン奏者である川口淳史氏が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、テルミンの発明者であるロシアの物理学者、レフ・セルゲイビッチ・テルミン博士の誕生日(1896年8月28日)から、8月28日とした

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 テルミンは、物理的な接触を必要とせずに演奏される電子楽器で、1920年にロシアの物理学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルメン(西洋名:レオン・テルミン)によって発明されました。この楽器は、演奏者の手の位置に応じて音高と音量を制御するための二つの金属アンテナを有しており、一方のアンテナが音高を、もう一方が音量を調節します。

 テルミンの操作方法は独特で、アンテナに近づくほど音高が上がり、遠ざかると下がるという特性があります。また、音量は手がアンテナに近づくほど小さくなり、遠ざかると大きくなります。このようにしてテルミンは、エーテルを通して音を操るかのような神秘的な演奏を可能にします。

 テルミンの音色は非常にユニークで、しばしばエーリーな印象を与えるため、映画音楽やテレビドラマのサウンドトラックにおいて効果的に使用されています。特に、サスペンスやホラーのシーンでその奇妙な響きが活かされています。歴史的には、ミクロス・ローザやバーナード・ハーマンなど著名な作曲家が映画音楽でテルミンを取り入れ、その独特なサウンドを広めました。

 テルミンはまた、その演奏法が独特でありながらもアクセシブルであるため、障害を持つ人々にも音楽を奏でる手段を提供しています。この楽器は物理的な接触を必要としないため、身体的な制約がある人でも演奏が可能です。

 現代においても、テルミンは電子音楽の愛好者やホビーリストの間で人気があり、キットとしても販売されています。これにより、自分で楽器を組み立てることができ、カスタマイズや改良が行えます。さらに、オープンソースのプロジェクトとして「Open Theremin」が開発され、オリジナルのヘテロダイン振動子アーキテクチャを使用して良好な演奏体験を提供していることもあり、テルミンの技術と魅力が広く伝えられています。

 このようにテルミンは、その創造的な発明から一世紀近く経った今でも、多くの音楽家や技術愛好者によって研究され、愛され続けている特異な楽器です。そのユニークな演奏体験と魅力的な音色は、今後も多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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