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8月1日 配置薬の日

配置薬の日
引用元:一般社団法人全国配置薬協会

 8月1日は配置薬の日。先用後利という有用性、利便性、経済性に優れた配置薬の普及拡大のために、「おきぐすり」の発展・研究で保健衛生水準の向上をめざす一般社団法人全国配置薬協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(81)置」の語呂合わせから、8月1日とした。

おきぐすりについて

 正式名称は「配置販売業」。以前は「売薬」と呼ばれていた。

 販売員が消費者の家庭や企業を訪問して医薬品の入った箱を預けておき、次回の訪問時に使用した分だけ集金するというもの。このようなシステムは「先用後利」と呼ばれている。

常備薬の入った薬箱を無料で各家庭に配置し、薬売りが年に数回、配置先の家庭を巡回して薬の使用状況を確認、補充を行い、顧客は使用した薬の代金だけを支払う。とくに有名なのは「富山の薬売り」で、当時藩の保護・統制を受けて発展し、全国に広まっていった。

 このような歴史を持つ「配置薬」は、医薬の普及が十分ではなかった江戸時代から300年以上にわたりセルフメディケーションの先駆けとして、地域の人々の健康維持・増進を支えてきた。

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 「おきぐすり」とは、日本の独特な医薬品販売システムで、正式には「配置販売業」と呼ばれています。このシステムは、販売業者が消費者の家庭に直接訪問し、医薬品をあらかじめ家庭に置いておくことから「おきぐすり」という名前がつけられました。消費者は必要に応じてこれらの薬を使用し、後日、業者が再訪問した際に使用分の代金を支払います。

 この販売形式は昔の「売薬」から進化し、特に昭和18年の薬事法施行以降、正式な制度として位置づけられました。おきぐすりは、消費者にとって非常に便利なシステムであり、急な病気や怪我の際にすぐに薬を手に取ることができる点が大きな利点です。また、訪問販売によるパーソナルな接触は、使用者の健康状態やニーズに応じたカスタマイズされたサービスを提供することが可能です。

 おきぐすりには多種多様な薬品が含まれており、主に内用薬と外用薬の大きな二つのカテゴリに分類されます。内用薬には丸薬、錠剤、カプセル、粉薬、トローチ、水薬などがあり、風邪、腹痛、頭痛などの一般的な症状に対応しています。一方、外用薬には目薬、点鼻薬、消毒薬、うがい薬、坐薬、絆創膏などがあり、これらは体の特定の部位に直接適用されることで効果を発揮します。

 「おきぐすり」のシステムは、江戸時代から続く日本の伝統的な商法に根ざしています。特に富山県で発祥したとされるこのシステムは、「先用後利」という考え方に基づいており、消費者が薬を先に使用し、後でその効果を評価した上で代金を支払うという形式をとっています。これは現代の信用販売やリース制にも通じる思想で、利用者と販売者の間の信頼関係を重視した商法です。

 今日では、おきぐすりは日本国内で広く受け入れられており、約5,000品目もの医薬品がこの方式で販売されています。しかし、現代化の波に伴い、配置販売業も多くの課題を抱えています。それには後継者不足や経営基盤の弱さなど、伝統的な商法を取り巻く環境の変化が含まれます。それでもなお、このシステムは多くの人々に支持されており、特に地域に根差した医療や高齢者の健康管理において重要な役割を果たしています。