カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

8月29日 おかねを学ぶ日

 8月29日はおかねを学ぶ日。2022年度より高校の新学習指導要領で家庭科の授業において「資産形成」が取り入れられるなど、金融教育の必要性が高まっていることから、その活動をサポートするために、ファイナンシャルコンサルティング事業などを手がける株式会社ABCash Technologies(運営・大蔵印刷工業株式会社)が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、歴史書『続日本記』などで日本で最初の流通貨幣として「和同開珎」が発行されたのが西暦708年8月29日(和銅元年8月10日)とされていることから8月29日とした。

◆◆◆

 日本の高等学校において、家庭科の授業で資産形成の教育が行われるようになった背景には、主に三つの大きな要因があります。

 第一に、「老後の資産形成問題」です。金融庁が2019年に公表した「老後資金2,000万円問題」を受け、適切なライフプランの立案と自助努力による資産形成の重要性が強調されました。これは、長寿化に伴う年金支給額の減少と退職金の減少傾向に直面する日本社会において、自らの資産を形成し管理する知識が不可欠であるとの認識に基づいています。

 第二に、「ライフプランの多様化」が挙げられます。従来の一律のキャリアパスから脱却し、多様な生き方が可能になる現代社会において、個々人が自身のライフプランに合わせた資産管理を行うことの重要性が増しています。

 第三の要因は、「成人年齢の引き下げ」に関連しています。2022年の法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、若年層が社会的な契約を結ぶ機会が増え、それに伴う金融リスクに対する教育の必要性が高まりました。

 これらの背景を受けて、文部科学省は高等学校学習指導要領において家庭科での資産形成教育を盛り込みました。授業では、貯金、民間保険、株式、債券、投資信託などの金融商品についての基本的な知識やメリット、デメリットを学び、リアルな給与明細を用いて家計の管理やライフプランニングのシミュレーションを行います。

 この教育の導入により、若年層の金融リテラシーが向上し、将来的には自らの資産を賢く管理し、金融トラブルを避ける能力が育成されることが期待されています。