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9月5日 石炭の日「クリーン・コール・デー」

 9月5日は石炭の日「クリーン・コール・デー」。石炭エネルギーへの理解を深めてもらおうと、石炭に関する技術開発、事業化の援助、人材育成などを手がけ、エネルギーの供給、産業の発展を担う一般財団法人石炭エネルギーセンターが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(9)リーン」「(5)ール」の語呂合わせから、9月5日とした。

石炭の豆知識

石炭の日「クリーン・コール・デー」
引用元:一般財団法人カーボンフロンティア機構

 数千万年前~数億年前の植物が湖や沼の底に積み重なり、地中の熱や圧力の影響を受けて生成される。炭素の濃集度合によって褐炭(かったん)瀝青炭(れきせいたん)・無煙炭の3種類に大きく分けられる。

石油がエネルギーの主流になる前は、石炭が経済にとって非常に重要な資源だったことから黒いダイヤモンドとも呼ばれていた。

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 石炭は数億年前の植物が地中で熱や圧力を受けて変化し、形成された堆積岩の一種です。これらの植物が生きていた時代、大量の木材が沼地や湖底に堆積し、時間をかけて炭化して石炭ができあがりました。石炭はその生成過程や炭素の含有量によって褐炭、瀝青炭、無煙炭といった種類に分けられ、それぞれ異なる特性と用途があります。

 褐炭は最も若い石炭で、炭素の含有量が低く水分を多く含みます。このため、発熱量は低いですが、発掘後すぐに使えるため電力発生などに利用されます。瀝青炭は一般に広く「石炭」と認識されている種類で、高い炭素含有量と中程度の発熱量を持ちます。製鉄や発電など、多くの産業で基本的なエネルギー源として用いられています。無煙炭は最も炭素含有量が高く、発熱量も最大です。その名の通り、燃焼時にほとんど煙を出さないため、家庭用の暖房や料理用としても適しています。

 石炭は全世界で広く分布しており、特にアメリカ、ロシア、中国、インド、オーストラリアなどの国々が主な生産国です。これらの国々では、石炭の採掘が経済活動の重要な部分を占めており、エネルギー政策にも大きく関連しています。石炭は現在も多くの国で最も基本的なエネルギー源の一つとされており、特に発展途上国でのエネルギー需要の増加に伴い、その重要性は増す一方です。

 しかし、石炭の燃焼は二酸化炭素やその他の温室効果ガスを大量に排出するため、地球温暖化の主要な原因の一つとされています。このため、石炭に依存するエネルギー政策は環境への配慮とのバランスを取る必要があると広く認識されています。再生可能エネルギーへの移行や、石炭のクリーンな利用技術の開発が進められているのはそのためです。

 石炭の持つ豊富な埋蔵量と広い分布は、今日のエネルギー需要を支える上で依然として重要ですが、その環境への影響を最小限に抑えるための技術革新が急務であるといえます。

記念日とかいろいろ