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9月9日 九九の日

 9月9日は九九の日。九九は算数の基礎であり、日常生活でも良く使われる。その意味から九九を物事の基礎、基本ととらえ、多くの人にもう一度、基礎、基本を見直して、初心に戻って物事に取り組んでもらう日としてもらうために、石川県小松市の西満憲氏が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、九九(99)」の語呂合わせから、9月9日とした。

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 九九は、古代中国から起源を持つ算術の基本であり、掛け算の結果を簡単に記憶するための便利な手段です。この数学的ツールは、日本には奈良時代に朝鮮半島を経由して伝えられましたが、当初は限られた貴族の間でのみ知られていたとされます。

 初期の日本では、九九が広まることは非常に遅く、平安時代になって初めて文献にその形跡が見えるようになります。特に、「口遊」という文献に九九が登場し、これが現存する最古の記録とされています。ただし、当時の九九は現在とは異なり、「9×9=81」から始まる形式であったという記録もあり、これは中国の伝統的な方法に従ったものです。

 江戸時代に入ると、数学が庶民にも広がるようになり、特に吉田光由による『塵劫記』という数学の本が大きな影響を与えました。この時代には九九が「36通り」の形で普及し、後の改良を経て現在の「81通り」の形式、すなわち「1×1=1」から始まる形式に統一されるようになりました。

 九九の普及は、算数教育の基礎として重要な役割を果たしており、今日では子どもたちが初めて出会う数学の形式の一つとして、その利便性と効率性が高く評価されています。また、九九の学習は記憶力だけでなく、計算能力の向上にも寄与し、日本の教育システムにおいて不可欠な要素とされています。

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