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9月23日 網膜の日

 9月23日は網膜の日。眼の中で光を感じる組織である網膜に異常がみられる遺伝性の難病「網膜色素変性症」のことを多くの人に知ってもらい、治療やケアに役立ててもらおうと、公益社団法人日本網膜色素変性症協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、この病気は昼と夜の長さがほぼ同じになる9月23日を境に、夜が長くなるにつれて出歩くのが困難になることから、9月23日とした

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 網膜色素変性症は、目の内部に位置する網膜の細胞、特に視細胞が障害される遺伝性の進行性疾患です。この病気は、視細胞の二つの主要なタイプ、すなわち杆体細胞と錐体細胞が影響を受けますが、特に杆体細胞が先に障害されることが多いです。杆体細胞は主に低光量での視覚、すなわち夜間や暗い環境での視力を司っています。

 網膜色素変性症の初期症状として最も一般的なのは夜盲、すなわち低光環境下での視力の低下です。この症状は日常生活において非常に気づきにくいことがあります。進行すると、視野狭窄が生じ、周辺視野が失われていきます。これにより、「トンネルビジョン」と呼ばれる、まるでトンネルを覗いているかのような狭い視野を持つ状態になることがあります。さらに病状が進行すると、中心視力の低下、色覚異常などが発生し、日常生活において大きな支障を来すことになります。

 網膜色素変性症は遺伝的な要因によるもので、遺伝形式は常染色体顕性遺伝、常染色体潜性遺伝、X連鎖遺伝と多岐にわたります。そのため、家系に同病の患者がいる場合、他の家族も発症する可能性が高くなります。遺伝子の変異が原因とされるこの病気は、現在のところ根本的な治療法が確立されていないため、症状の進行を遅らせたり、残された視力を最大限利用するための対症療法が主に行われています。

 治療法には、ビタミンAの補給や、視力を支援するための器具の使用、環境調整が含まれます。また、遺伝子治療や視細胞の再生を目指した研究が進められている段階です。患者とその家族には、適切な情報提供とサポートが求められる状況にあります。

網膜の病気

 網膜の病気は暗くなると見えなくなる夜盲、針の穴ほどしか視野のない視野欠損など、眼鏡などでは矯正できない「ロービジョン」と言われる視覚障害が多いが、ips細胞由来の網膜組織を用いた機能回復の研究もおこなわれている。

記念日とかいろいろ