カレンダーをめくってみれば
~今日は何の日?~

9月9日 人工内耳の日

 9月9日は人工内耳の日。人工内耳について一般の人々に理解を深めてもらうための日。

 レーザーなどの技術を利用した医療機器の輸入・販売などを手がける一般社団法人 人工内耳友の会ACITAが制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、3月3日が「耳の日」、6月6日が「補聴器の日」であることから、9月9日とした。

 同会では医療関係者や機器メーカーと連携して、人工内耳埋め込み手術を受けた人工内耳装用者に対する福祉の充実を目指すとともに、装用者同士の交流、人工内耳の普及などの活動を行っている。

◆◆◆

 人工内耳は、高度感音性難聴などで内耳が損傷している場合に効果的な医療機器です。これは、聴覚障害者が音を電気信号として聴覚神経に直接伝えることを可能にするためのデバイスです。補聴器と異なり、人工内耳は内耳に埋め込む電極を用いて直接神経を刺激し、音の認識を助けます。

 人工内耳のシステムは大きく分けて、体内に埋め込まれる体内装置と、外部に装着する体外装置の二部分から構成されています。体内装置は手術により設置され、一度埋め込まれると基本的には交換されることはありません。一方、体外装置にはマイクロホンや音声分析装置、送受信機などが含まれ、これにより外部の音を捉え、分析し、電気信号として体内装置に送信します。電源は電磁誘導を利用して体外装置から供給されます。

 音声分析装置が外からの音声を電気信号に変換し、その信号が体内の電極に送られることで、蝸牛内の特定の部位を刺激します。蝸牛の異なる部位は異なる周波数に対応しているため、音の高低や種類を認識することができるようになります。このプロセスにより、聴覚障害を持つ人々も音を認識し、言語の理解やコミュニケーションが可能になります。

 人工内耳の装着後は、適切な調整と訓練が必要です。これにより、患者は新しい聴覚情報の解釈を学び、より効果的にコミュニケーションを取ることが可能になります。特に、早期に装着された乳幼児では、言語発達の大きな助けとなることが期待されています。日本では、人工内耳の一部には健康保険が適用されるため、利用しやすい環境が整っています。

記念日とかいろいろ