12月7日 世界KAMISHIBAIの日
12月7日は世界KAMISHIBAIの日。紙芝居を研究し、学び合い、その魅力を世界中に根付かせていくことを目的に、紙芝居文化の会が制定し、日本記念協会が認定した。
日付は、紙芝居文化の会が創立した日(2001年12月7日)にちなんで、12月7日とした。
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紙芝居は、1930年代に日本で誕生し、特に街頭での演出を通じて人々の関心を引きつける手法として普及しました。初期の紙芝居は、主に子どもたちを対象に、簡易な舞台で駄菓子屋が客引きのために使用していたことから始まります。その後、戦時中はプロパガンダの道具としても利用されましたが、戦後は平和教育や子どもたちの精神的成長を促すツールとしての価値が見直されました。
紙芝居の基本的な形式は、一枚一枚の挿絵が使われる点が特徴です。演者が画面を順に抜き取りながら物語を進行させ、背面に書かれた文章を朗読します。このインタラクティブな形式は、観客と演者の間のコミュニケーションを促し、共感を生み出す強力な手段となります。観客は、演者が語る物語に引き込まれることで、物語の世界に没入しやすくなります。
紙芝居は、教育現場でも利用されるようになり、児童文化の一環として確立しました。1957年には童心社が創立されるなど、専門の出版社が設立され、文化的な深みと教育的な価値を持つ作品が多数生み出されるようになりました。また、2001年には紙芝居文化の会が発足し、紙芝居の文化的な側面をさらに深掘りし、国際的にもその価値を広める活動が行われています。
現代においても紙芝居は、その手軽さと表現の豊かさから多くの教育者や芸術家によって新たな形で再解釈され、様々な形で観客に愛され続けています。紙芝居が持つ「共感」の力は、異なる世代や文化の人々をつなぐ普遍的な魅力を持ち、今後もその価値が再評価され続けることでしょう。