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~今日は何の日?~

毎月10日 イカの日

 毎月10日はイカの日。烏賊を生かした地域活性化のために、青森県八戸市のイカの街はちのへ まちづくり研究会が制定した。

 日付は、イカの足が10本であることから、毎月10日とした。

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 イカは、非常に魅力的でユニークな生物です。イカは軟体動物で、頭足類(イカ綱)に属し、通常の4対の腕のほかに1対の触腕を持つ十腕類(イカ亜綱)に含まれています。その形状は紡錘形または袋状で、体の後方にひれがあり、前後自由に遊泳することができます。特に急激な動きを必要とする際には、体内に吸い込んだ水を噴射してジェット推進のように進行します。

 この生物の特異な点として、「腕」があります。俗に「イカの足」と呼ばれるこれらは全部で10本あり、そのうち2本は他のものよりも長く、先端部分がやや広がっています。ここにも吸盤が存在しており、これを触腕と呼び、獲物を捕らえる際にはこれを素早く伸ばします。体内に硬い甲を持つコウイカ類と、持たないものとに大別されます。前者は主として沿岸性であり、後者は一般に沖合で回遊します。ヤリイカ、スルメイカ、ホタルイカなど約25科が知られています。

 「イカ」の語源については複数の説がありますが、その一つに「食用にされる動物の呼称」という解釈があります。これは「い」が語音強調の接頭語で、「か」が「食(け)」が転訛したものと解されることから来ています。古代日本の人々にとって、イカは食物そのものだった可能性があります。イカの漢字表記、「烏賊」は、「烏」を襲う「賊」という意味で、イカがカラスを襲う故事から名付けられたとされています。

 現代でもイカは私たちの食生活に欠かせない存在です。焼きイカ、イカの塩辛、イカスミのパスタなど、イカを用いた料理は多岐に渡ります。また、視覚芸術や文化的表現においてもイカはインスピレーションの源となり、美術、文学、映画、アニメーションなど多くの分野で見かけることがあります。ユニークな形状と生態から派生するイカのイメージは、人々の想像力をかき立て、多様な表現を生み出してきました。

 イカの生態についての研究は、科学者にとってまだ未知数の部分が多い挑戦的な領域です。その奇妙な形状、特異な生態、高度な適応能力は、私たちが地球上の生命とその多様性について理解するための鍵を握っています。また、イカの視覚システムや神経系の研究からは、神経科学や生物学における新たな発見が期待されています。

 イカはそのユニークな存在感で私たちの生活を彩ってくれる、驚異的で美しい生物です。イカを見つめることは、自然の驚きと感動、生命の尊さと多様性を改めて認識するきっかけとなります。私たちはイカから学ぶことがたくさんあり、イカが私たちに示す美しさと不思議に感謝することができます。