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毎月10日 コッペパンの日

コッペパン

 毎月10日はコッペパンの日。全日本丸十パン商工業協同組合が2013年で創業100周年を迎えるにあたり、丸十のコッペパンをより多くの人に知ってもらおうと制定、日本記念日協会が認定した。

 日付は、丸十の「十」にちなんで、毎月10日とした。

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 コッペパンは、日本独自のパンであり、その特徴的な形状と多様な使い方から、国内外で非常に人気があります。紡錘形で、片手で持てる大きさのパンであり、底が平たく、フランスの「coupé(e)」パンやアメリカで見られるホットドッグバンズに形状が似ています。しかし、これらの似たパン類とは異なり、コッペパンは非常に柔らかく、ふんわりとした食感が特徴的です。

 その名前の起源は、確固たるものがなく、複数の説が存在します。一つはフランス語の「coupé(e)」からきているという説です。「coupé(e)」は「切られた」を意味し、焼き上げる前の生地にナイフで切れ込みを入れることを指すのですが、その形状からコッペパンに名前が付けられた可能性があります。しかし、フランスでは「coupé(e)」はパンの名前としては一般的ではなく、日本のインターネットサイトでこの名前が使われていることがあるだけです。

 また、もう一つの説として、大正時代にイーストを用いた製パン法を日本で初めて開発した田辺玄平が考案したパンであるというものもあります。この説では、田辺玄平がアメリカでパンの製法を学び、その知識を元に日本独自の発展を遂げたコッペパンを生み出したとされています。

 日本では、ジャムやバターを塗ったり、コロッケや焼きそばを挟んだりするなど、多様な使い方で親しまれてきました。また、学校給食の普及によって全国的に広まったとも言われています。その形状と多様性、そしてなんといってもその柔らかな食感から、多くの人々に親しまれてきました。特に子供たちにとっては、おやつや昼食として手軽に食べられ、さまざまな具材との組み合わせを楽しむことができます。

 コッペパンは、独特な形状と使い勝手の良さから、日本のパン文化の中で独自の地位を築いています。その起源が確定していない点は、その神秘性をさらに高め、多くの人々の興味を引き続けています。そして、そのシンプルさと多様性が組み合わさり、日本の食文化の一部として愛され続けています。

全日本丸十パン商工業協同組合

 日本で初めてイーストによる製パン法を開発した田辺玄平が大正2年に東京上野黒門町で食パン専門の店として「丸十ぱん店」を創業した。その後、製パン方法を学ぶために全国から集まった弟子達の一部が「丸十互助会」を発足させた事が始まり。

 現在は組合員だけが、田辺家の家紋(「○」の中に「十」)を使うことができる。