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~今日は何の日?~

8月28日 汗の日

 8月28日は汗の日。記念日を通して汗についての疾患啓発や治療など、汗に関する正しい情報を発信していくために、様々な領域における発汗学の発展を目指す日本発汗学会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、1993年8月28日に第一回日本発汗研究会が開催され研究会として発足したことから、8月28日とした。

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 発汗は、哺乳類が皮膚の汗腺から分泌する液体、つまり汗を体外に排出する生理現象です。汗の主成分は水ですが、塩化物などの様々な溶解固形物や、少量の尿素、p-クレゾールなどの化学物質や芳香化合物も含まれています。発汗は、人間において主に体温調節の手段として機能します。特に、体温が高くなった際に、皮膚表面で汗が蒸発することによる気化熱の効果で体を冷却します。

 人間の発汗は、気温が高い時や運動によって筋肉が熱くなった時に促進されます。これは、汗腺からの水分の蒸発が体温の上昇を抑えるためです。しかし、気温や体温が高くない場合でも、緊張や吐き気などの精神的、感情的な反応によっても発汗が促進されることがあります。このような状況での発汗は、自律神経の反応によるものと考えられています。

 哺乳類の中でも、特に人間や馬など少数の種が大量に汗をかく能力を持っており、これは長距離走などの持久力を要する活動において大きな利点となっています。アフリカの狩猟民族が獲物を追い詰める狩りにこの能力を利用していることは、人間の発汗能力がいかに特異なものであるかを示しています。

 発汗は私たちの日常生活において非常に重要な役割を果たしています。体温調節だけでなく、感情表現や社会的コミュニケーションの一部としても機能しています。このように、発汗は単なる生理的現象を超え、人間の生活や文化に深く関わっているのです。