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8月28日 河内こんだ・埴輪の日

河内こんだ・埴輪の日

 8月28日は河内こんだ・埴輪の日。周囲に世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群があることから、この地域の古墳についてより知識を深めて未来へ継承していくために、大阪府羽曳野市誉田(こんだ)で埴輪づくり体験や埴輪グッズの販売などを行う河内こんだハニワの里 大蔵屋(運営・大蔵印刷工業株式会社)が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、(8)にわ(28)」の語呂合わせから8月28日とした。

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 埴輪(はにわ)は、日本の古墳時代(3世紀後半から7世紀)に製造された特有の土製品であり、主に古墳の埋葬施設周辺に配置された陶器です。これらは、赤茶色をした素焼きの土器であり、死者の霊を弔い、悪霊や災害から保護する目的で用いられたと考えられています。

 埴輪の起源は、弥生時代後期にまで遡ります。最初に現れたのは円筒形埴輪で、これは葬送用の壺とその器台とが進化したものです。これらの初期の埴輪は、一見すると壺のように見える土管形状で、側面には装飾的な透かし穴が開けられていることが特徴です。

 古墳時代に入ると、埴輪の形態はより多様化します。4世紀から5世紀にかけて、甲冑や盾を模したものから、家屋や人物、さらには動物を模した形象埴輪が登場しました。これらは古墳の被葬者の社会的地位や職業、生活環境を反映しているとされ、歴史的な研究において重要な資料となっています。

 特に人物形象埴輪は、その造形の豊かさで知られています。武人、農民、巫女など様々な社会的役割を担う人々が精巧に表現されており、当時の衣装や装飾、武器などの細部に至るまで丹念に作り込まれています。動物形象埴輪では、馬や鹿などがよく見られ、これらは被葬者とともにその霊を守る役割を果たしたとされます。

 埴輪の配置は、古墳の盛り土に沿って整然と並べられることが多く、これにより古墳が聖域としての性格を強め、外部からの侵入を防ぐ役割も担っていました。また、古墳の崩壊を防ぐための支えとしても機能したと考えられています。

 今日では、これらの埴輪は博物館や教育施設で展示され、古代日本の文化や芸術、信仰の形態を今に伝える貴重な手がかりとされています。そのユニークな形状と製造目的から、埴輪は日本古代史を学ぶ上で欠かせない存在であり続けています。